毎度辺境なわたしんトコまで来てくださる皆々様に、たいした更新も出来ずにいるいりるより、残暑お見舞い申し上げます。



いや~、アメンバー様に置かれましては申請メッセージを確認後何も言わずに承認を出すっつー不義理をかまして、申し訳ない限りでございます。


そんな中、未だにいらっしゃるんですよね~。


ちゃんと年齢確認しないと承認は出来ませんよって言ってるのに、何も言わずに申請だけなさる方々が。



仕方ないので放置してますが、お心当たりのお有りな方はきちんとメッセージくださいませ。



中にはそういった形で期限切れになった方々もおられます。


くれぐれも注意事項を確認してから申請出してくださいませ。m(__)m

「……お…親…父…。」



蒼白な顔で漸く絞り出した松太郎の声に耳を傾ける事を拒むかのように、父親である板長は縋るように伸ばされた手からも顔を背けたままサッと立ち上がると、仕込みに戻ると言い残して部屋を出て行った。



母である女将もまた、涙に濡れた頬を拭くと見苦しく無いように化粧を直しながら勘当予定の息子にこう声を掛けた。



「…ええか、よぉくお聞き。
  アンタはうちらだけやない、大勢の人生に陰を落としたんや。
キョーコちゃんは勿論やけど、この前暇出した従業員にも、お世話してくれはったご住職にも。
東京の芸能事務所の方々にもや。
その事よーく胆に命じて、これから生きておいきやす。
うちかて腹を痛めて産んだ子や、アンタが可愛くない訳やない。
けどな、子ぉがしでかしてしもうた事は親として責任取らないけまへんの。
アンタがこれからの人生、せめて人様に迷惑懸けずに生きて行けるように、厚かましいようやけどご住職からのご厚意に甘えさせてもらう事にしたのや。
ご住職もなぁ、自分のことまだまだ未熟ものや言うて、お師匠はんのとこで修行し直す言わはってな。
お父ちゃんがうちに着く前ご住職に連絡しはったから、じきに迎えが来る筈や。
…ほな、あんじょうお気張りやす。
あの人はああ言うたけどな、うちはアンタが心の底から性根を入れ換えて、人様に迷惑懸けた事を悔いてこれからの人生生きてってくれたら、きっといつかは許してくれるんやないかと思うてる。
あの人かてたった一人の息子と本気で縁切りたいなんて思うてへん筈やもの。
そこんとこ、間違えたらあきまへんえ。」



身支度を整え終え、すっかりいつもの凛とした女将姿に戻った母はへたり込んだままの松太郎の肩にポン、と手を置くと一つ頷き、そのまま部屋を出て行った。



一人ポツンと部屋に取り残された松太郎は迎えが来るまで放心したように身動ぎ一つせずに俯いたままでいた。




それ以後、彼はぱったりと消息を絶つ。



不破の両親がLMEに報告の名目で知らせたのは、以前松太郎を預かった住職が彼を連れて師匠の寺に再修行に入ったという事と、二度と芸能界には関われないだろうという事だけだった。



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「………案外呆気無かったわね~。
もうちょっと何か出来ると思ってたのに…。」



「…仕方ないんじゃないか?
守護者全員参加で不破一人に制裁だからな、一人当たりの突っつきなんざ可愛いモンになるってことで。」



「…そうそう、不破が復帰してから追放されるまでの短期間に不破の一番の理解者で庇護者になる筈の両親と預かってた住職も守護者に引っ張り込んだんだから凄いよな、京都支部のメンバー。」



挙げ句どういう伝(ツテ)か知らないけど再修行先の坊さんにまであいつの悪行吹き込んどいたって、守護者の掲示板に活動報告入ってたしな、と大活躍の京都支部を誉め称える彼らが見つめる先には、カメラの向こうでディレクターやスタッフと歓談しながら笑顔で打ち合わせする京子の姿があった。



「……彼女の笑顔と優しい心を護るのが、俺達守護者の務めだな。」



「…いつか彼女が誰かを選ぶ時が来るだろうけど、そいつが彼女を哀しませるような真似した時には、また全国の守護者が黙っちゃいないだろうな。」



スポットライトの下耀く笑顔を遠巻きに眺めながら囁き合う彼等は、守護者としての使命感に満ちた満足げな笑みを交わしあっていた。



それは膨大なネットワークによって繋がれた名も無き守護者たち全ての願い。



【我らが天使の笑顔を護れ】



このスローガンの下、この後彼らは表立ってはスポンサーとなり、裏からは名も無き支援者として京子を支え続ける。



それは何年経とうが変わることなく続けられ、京子が大女優と呼ばれる立場になっても変わりはしなかった。



京子もまた彼らの存在に支えられていることに日々感謝することを忘れず、精進努力を怠ることはなかったという。





▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽



~数年後の夫婦の会話~




「…なぁ、あんた。
あの子どうしてるやろ…。」



「……キョーコは頑張っとるな。
もうすっかり新進気鋭の実力派女優仲間入りしとるしなぁ。」


こないだもうちに顔出してくれたやろがと夜の一時に出された茶を啜りながら何処か満足げな壮年の男に、女将は溜め息を溢さずにはいられなかった。



「………せやのうて…あの…。」



「…お前からしたら気にかけずには居られんやろが、仏心はあいつのためにはならん。
心配せんでもあちらでようしてもろうとる。
…人伝に聞いた話では、お師匠はんについて修行であちこちの寺を巡っとるらしいな。
冬は半分凍結した滝で滝行らしいし。
…まぁ、まともに修行に励む様になったんはこの2年ばかりらしいがの。」



「……あんた、あの子を許してくれる気ぃは…あらしまへんの?」



「……まだあかんな。
あいつはまだ修行中の身ぃや。
あいつが心根入れ替えてわしらのまえで土下座して謝る事が出来たなら少しは考えんでもないが、今はまだ…無理やな。」



第一お師匠はんからのお許し無しに寺からは出られんやろしな、と何処か遠くを見るような寂しげな風情の夫に、女将は何も返すことはできなかった。




彼らの前に一人の青年僧が現れるのは、それから更に十年の歳月が流れた後となる…。











………すっごい尻切れトンボ感が…(-_-;)


で、でも終わりにしちゃうもんっ!!(>_<)

想いを歌声に乗せて(2)


---歌声は蝶の羽ばたき---





「…とりあえずはだな、クーの奴が返事を寄越すのを待つしかねぇんだ。
  今日のところは…。」



帰っていいぞと言おうとしたローリィの言葉を遮る様に社長室のデスクトップパソコンが着信を告げてきた。



「…早いなアイツ。
おー、やけに返事が早いじゃねー…
『ボスっ、こっちのクルーのジムが見つけた歌姫がボスのトコの娘(コ)ってのは本当かっ!?』
……せめてこっちが話し終わってから喋れやクーよ。」



ネット経由のTV電話で画面一杯のどアップで叫んでいたクーに、日頃とは全く真逆な冷静なテンションで返すローリィの姿がそこにあった。



「…落ち着けや、確かにお前の関係者らしいな、あのジムとかいうアメリカ人。
んで、お前歌聴いただけでどんな娘(の)が歌ってたかは知らないのか?
もしかして。」



『あ、あぁ、ジムの話じゃ動画撮るには間に合わなかったと…。
彼から聞いた話じゃ歌声とはまるで印象の違う金髪ピンクメッシュの美少女だったと…。』



「その彼女なら此処に居るぞ。
おーい、ちょっとこっち来いや。
ほれ、挨拶したいだろ?」



「はっ、はいっ!!
あっ、あの、ご無沙汰しております!!
お元気でいらっしゃいますか?
先生!!」



画面越しに見惚れるお辞儀をするピンクメッシュの金髪美少女に、クーの目が点になった。



『その仕草その口調…まさかキョーコなのかっ!?
い、いやそれよりも何故先生なのだっ!!
お父さんと呼べと言ってるだろうに!!』



早速論点の擦れ捲っているクーを目の前に、今度は雪花に扮したキョーコの方が逆に目が点になっていた。


「すすすすみませんっっ!!
つい出てしまいました…っ、お、お、おとう…さ…ん?」



「…最後に“?”は要らんが…まあいい。
画面越しで残念だが元気そうで何よりだ。
あぁ、あの歌声はキョーコのものだったのか!!
天の配剤を心から神に感謝したいものだな!!」



これこそ神が与えたもうた運命に違いない、主題歌を歌えるのはお前だけだと捲し立てるクーに口を挟める隙はまるでなく、キョーコはあうあうと口をパクパクさせるだけで何も言葉を返す事が出来ずにモニターの前で藻掻いていた。



「………あ~、とにかく落ち着けクーよ。
最上くんが困惑しとるし、話を進めようにもこれじゃ埒があかん。
話はジムって奴から詳しく訊いた上で詳細を詰めていいな?」



何かしらの契約を結ぶならそのクルーを代理人扱いするからなと言い含め、興奮冷めやらぬクーとの通話を一方的にぶっ千切ったローリィは盛大な溜め息を吐いた。



「……やれやれ。
んで?
詳細をお前さんたちサイドからの目線で話して貰おうか。」



ローリィのその言葉にカインと雪花の姿をした蓮とキョーコは困惑した様子で顔を見合せ、ソファーに座り直して事情を説明し始めた。



「……何しろいきなりだったので、あのジムさんて方物凄い興奮していて…正直何を言われているのか始めは分からなかったんです。」



キョーコの言葉に頷きながら蓮が話を繋ぐ。



「俺と最上さんが木陰で休憩していたところに飛び込んで来たんですよ、彼。
Mr.ヒズリの名を出して余りに騒ぐので事務所で待つように言いかけた所でスタジオの警備員が駆けつけて来て…。」



「その時や~らかくて気持ちい~い太ももに頭を載っけて堪能していた蓮を膝枕したまま唄っていた最上君の歌声をあのジムが録音、ネット経由で海を渡り、海の向こうは大騒ぎ…という訳か。
とんだバタフライ現象だな。」



せっかく気持ちよく膝枕されてたのにぶち壊しにされて残念だったよなとニヤケ笑いを向けるローリィに対しセクハラ発言止めてくださいとしれっと流す蓮。
 キョーコは頭の中で[破廉恥よぉ~っっ!!]と絶叫しつつこれまた頭の中だけで部屋中のたうち回って、実際はソファーに座ったまま縮こまるようにして茹でダコと化していた。



「…ん、まぁ事態は呑み込めた。
で、どうする?
あのジムの様子とクーの画面越しの様子とを鑑みるに、あっちはかなり切羽詰まってると見ていいな。
この話、受けるのか?」



どうする最上君と先程までのからかう様な態度は何処へ行ったと思わせる冷静沈着なローリィの様子に、キョーコはあぁこの人はやはりLMEのトップに君臨する人なのだなと再認識して姿勢を正し、意識を切り換えた。



「あの…受ける受けない以前に、私の歌を確かめなくていいんでしょうか?
この中で私が歌っているのを聴いたのは敦賀さんだけなんですけど…。
  しかも子守唄レベルですし。
歌手部門の方のご意見も伺いませんと私には判断出来かねる事態かと思うのですが…。」



キョーコの言い分も尤もだと首肯したローリィは早速控えていた秘書に担当するべき歌手部門の社員を呼び出すように告げた。











ふふふ…長くなるよこの話。(;^_^A