PCから遠ざかっている間に東京ではすっかり満開の桜です。

でも桜ってどうもはかなさを感じて少しだけ悲しい気持ちになります。

満開の圧巻もさることながら

それまでに長い間ずっと身を潜めている、

そんな感情がどこかにあるのでしょうか。

蝉と似ていますよね。



さて話は先日のバスでの出来事です。

帰り道の車内でなぜか中国人系の客が半分を占めていました。

車内は満員です。

その中国人たちは大きな荷物を抱え

混んでいる車内をさらに狭くしていました。

わたしも含めほかの乗客もおそらく倦厭していたでしょう。

しばらくすると車内はだんだんと空いてきて

この乗客のひとりが運転手に道を聞きました。

マイクを通じてその声は車内に響き渡ります。

運転手は「ちょっとまって」とその客に伝えます。

カードらしき物を運転手は受け取り赤信号になるまで

運転に没頭されています。

これには少し安心しました。

そうして信号で止まり、そのカードを見ますが

「ここにいきたいの?」「どこかなぁ」と

客に話しかけますが、日本語が通じず

その客らは途中で下車しようとしました。


降りる彼らを不憫に思ったのか再度その運転手は降りる彼らを引きとめ

「もう一度そのカードを見せて」と止めます。

しばらくそのカードを眺め「あぁあそこか!」と

運転手はもう一度彼らに乗るように指示しました。

「ここで働くの?」通じない日本語で一生懸命に話しかけます。

「ここのレストランおいしいんだよ!餃子がね」

ここでわたしは「あぁ、あの店か」とわかりました。

入ったことありませんが確かにおいしいと評判の店です。

運転手となべを振るジェスチャーをして車内はにぎやかなムードに

なっていきました。

運転手もだんだんと中国なまりの片言な日本語に変わって行き

車内はさらに笑いに包まれました。

「バスで通るから教えてやるよ」と運転手も楽しそうです。


バスはその店の前で止まり彼らを降ろしました。

残りの乗客で彼らを見送りました。

終点で降りるとき運転手は最後の乗客のわたしに話しかけます。

「あそこの餃子、うまいんだよ」

わたしは「今度行ってみますね」

「楽しい時間をありがとうございました」

運転手は満足げな顔をしてわたしを降ろしてくれました。