みどりちゃんは晴れ女だ。
いつもお出掛けするときは
毎回ビックリしちゃうくらいいいお天気で
家から駅に到着する頃には
ふたりして滝のような汗をかいていた。
みどりちゃんは忘れ物の名人で
大事な時に財布を忘れたり
やっと一服という時にライター忘れたり
いつも、あらら…という結果になる。
みどりちゃんは
お洒落で革製品に凝っている。
鞄や靴にまでこだわっていて
壊れそうな物も
キチンと修理して丁寧に使っていた。
みどりちゃんは弱音を吐かない。
みどりちゃんは脚が悪くて杖をついている。
あたしのミスで電車に乗るときに
転ばせてしまったのに
『大丈夫。』と最後まであたしのせいにしないで
ひとりで頑張って立ち上がった。
傍観していた人たちの中で
唯一助けてくれた若い男性に
『お礼を言って』
って自分はサッサと降りて
あたしにお礼を言わせる照れ屋サンだ。
50mほど歩いてはひと休みするくらい
しんどい時も
『しんどい』なんて言わずに
いつも笑顔だった。
でも、本当は辛かったんだね。
みどりちゃんは辛さを紛らわすように
沢山お酒をのんでお空の星になった。
みどりちゃんは晴れ女だ。
きっと明日も晴れに違いない。