「あぁ?なんだコイツ、1人で俺たち5人を相手にする気か?」
「五人係でようやく倒せるって思ってるんだ。いいよ、まとめて相手してやるよ。」
「チッ、調子に乗りやがって!行くぞお前ら!」アーサーの安い挑発に乗り、盗賊は金髪の青年を囲むように襲ってきた。
碧色の目で盗賊の動きを一人一人捉え、飛びかかってくると剣を持っている手と逆の手で盗賊を投げ飛ばし、別の盗賊にぶつけ、ナイフで切りかかってきたところを剣でナイフを弾き、蹴り飛ばし、残った2人の盗賊は左右に回り込み同時に切りかかってきた。が、いとも簡単に避けられ、盗賊の曲刀が火花を散らした。その隙に1人は顔面に蹴りを入れ、もう1人は鞘でうなじを強く叩いた。たった一人で五人の盗賊をいとも簡単に倒してしまった。
ふぅと一息入れて約二秒、耳障りな声が少年の過去を抉り、掘り起こした。
「あらあら、五人の盗賊をこんなに簡単に倒しちゃって、強くなったんだね、金髪のキミ」真紅のドレスと髪の毛、透き通るような白い肌に浮かぶ蒼く鋭い瞳ー。忘れもしないその姿を一目見ただけでアーサーは激怒した。
「貴様…!」
「でも、また君は同じことを繰り返すんだね。…ほら、"お仲間"のご登場よ?」真紅のドレスを見にまとった少女は視線だけを左に向けた。瓦礫の陰から紅い髪を後ろで束ね、浅黒い肌ときりりとした目が特徴的な少年ホムラと、薄桃色のショートヘアーと翡翠色のつぶらな瞳の少女華が息を切らせながらアーサーめがけて走り出した。
「アーサー!」
「アーサァー!」
2人はアーサーの隣に立ち、武器を構えた。
「なんだかよく知らねぇが、やらなきゃいけねぇみたいだな!」
「アーサー、手伝うよ!」
「…やめろ、こいつに関わるな!」
アーサーの声は2人の耳を通り空に吸い込まれていった。
「…もう目の前で誰かが死ぬのは見たくないんだ、だから…だからこいつから離れてくれ!」後半はもうアーサーの声は震えていた。自分の所属していたギルドのメンバー全員を殺した彼女に、独りで戦う恐怖、真紅の少女に対しての明らかな怒りを華は感じ取った。
「悪りぃが、ここでぼーっと見てられねぇタチなんだ。それに、俺は、俺たちは死なねぇ!」ホムラはアーサーの隣まで歩き紅く巨大な剛拳を腕にはめた。
「こんなこと言うとアーサーに失礼になるけど、私たち、目の前で仲間が死ぬ姿なんて見たくないの!」華は腰からは細くすき通る様に輝くレイピアを抜いた。
「…勝手にしろ」アーサーも背中から身の丈程ある長剣を引き抜いた。
「あら、3人で戦うのね?いいわよ、まとめて遊んであげる!」真紅のドレスの少女は口を三日月の様に歪め笑った。
