坂本龍馬が、藩をこえて仕事をしたように、今の国内企業も、当然国を越えて仕事をするのがスタンダードになっている。
大企業の下請けであったような中小企業は、軒並み海外生産化にやられたというが、そういった企業も団結して、直接中国など海外に販売ブースなどの販売網を設け始めているそうだ。
政府は、そういった動きに対して先導していくべきであり、同時に国益だけでなく他国との協調も念頭におかなければならない。独り勝ちは、長期的な国益には反すると考えるからだ。
そのような動きの中で、一国の総理がたびたび変わるというのは国家戦略を立てるうえでもいい影響を与えるとは思えない。
まさに幕末の老中・大老と同じで、誰がなっても状況は悪化していくだけだ。
総理のイスがババ引きみたいなものである。
余談だが、政局や政策だけで物を考えていないであろう小沢さんあたりはそんなときにババなんかは引かないはずである。
中国の上元・中元・下元 の考えを参考にしてみるなら、時代の流れが変わりそうなのは2040年くらいということになる。それまでは、誰が総理をやっても幕末の老中と同じである。せいぜいなれても清川八郎くらいのものだろう(別に清川八郎を悪く言うつもりは全くない。そういった行動が変革や改革のスタートにもなるわけだから)。
税制も、公務員改革も、国家や国民全体を今後どう持っていきたいかというストーリーを明確にしなければ単なる一時しのぎのパフォーマンスにしかならない。マニュフェストではない。20年~50年先を見通したストーリーだ。
リーダーはエリート達を束ねて、作り上げたストーリーを達成すべく、熱き心で皆を巻き込み、愚直かつ執拗に実行しなければならない。実行の際し、障害となる組織、制度は一網打尽に解決していかなければならない。
当然この問題は、税制から司法・立法・行政制度など広範囲におよぶので5年10年でできるものではないかもしれない。
しかし、政治家も学者も誰もが分からない状況であっても、そんなときにこそ坂本龍馬のような人物が現れるのだろう。エリートのシナリオどおりに世の中が進まないときに、天地人がそろい、龍馬のような人物が仕事をする。
世論調査の支持・不支持率もそんな中では、天候による気温の上下動程度にしか思えない。
今、最低限求めるべきものは、最悪のシナリオにならないよう、そこだけは回避する感覚・モラル・知恵を失わないようにしていくことである。