詩的言語で書かれた

暗号的浄化法

(共同幻想を結ぶ為では無い言葉に寄り添う魂はとても傷ついて磨かれている)


接触は円球であり

互換は円錐である

遠ざかるだけの陰翳から

導き出す最短距離


未確認生物(形而上的言語)として

捕獲されてゆく声の群れが霧散する


乱暴に触れないで」

脱ぎ捨てられた衣類を丁寧に畳んでいる

情緒は置き去りにされる


紳士的より獣性を好む」

剥ぎ取られた理性が噛み付かれて破けている

背表紙が捲れて剥がされている


本来の使用法はなく

曖昧模糊に夥しく隠された

最良の一口の為に濾過してゆく


(感動の為に不干渉であろうとする?)

敷き詰められた植物の青いにおい


しを憶えることはせいをおぼえることだと」

継ぎ足されてゆく手から棘を抜いてゆく

「これでもう完璧な球体です!


日常語で描かれた誰かに宛てたポエジーがあるならば

「自然を前に言葉は不要だ。


無力なお前は傷つけ傷つけられ

それでも言葉に固執するから

磨かれて磨きすぎて

鈍く光ることしか出来なくなる


手放した言葉に復讐される

それは幸福であるかのような顔で

青白い病人の手足を放り出す


そろそろ気付きましたか?」

有休消化の胃袋で咲いて

「次はお前の番だ、


昇華されてゆく音が遺言だった

肉は焼べられ骨が崩れる

静かな悲しみだけ美しい夜

あなたを食べ尽くしたのだから。