田圃の水が宙を宿す


ソとラからシのオタマジャクシ


空想的な空中庭園を歩く


積乱雲が発生


二足歩行する傘の人


遠くで稲妻が走ってゆく


夕餉の匂いが立ち込め


地面から雨の気配が漂う


白い裾が山間で揺れ


降り立つ爪先に蛙が讃美する


渦の群れが吐き出され


夜は訪れる


夢は音もなく降りしきり


音楽は絶え間なく流れ去る


朝露を葉に溜めて


音階は辿り着く


風は楽譜をさらってゆく


雲の切れ間から光の糸が垂れる


梢から鳥が飛び立つ


嘴が捉えた報せを待っている