1.母方の祖父
見たいテレビがあって見ていても、祖父の怒鳴り声でテレビが全く聞こえない。
1回怒鳴って終わりじゃなくて、大声で長時間怒鳴り続けるんです
みんな自分の部屋に避難して、祖父の前から誰も居なくなっても、
家中に響く大声で怒鳴り続けていました。
みんなでご飯を食べている時も急に怒りだして、
食卓にのっているもの全部なぎ払って床に落とすんです。
おかずとか味噌汁とか、家族の食事全部。
食事の時も緊張して食べる。
それが日常でした。
祖父が食事を床にぶちまけ始めたらすぐ自分のご飯持って逃げるのがうまくなりました。
祖母に対しての暴力もありました。
私が小学生のころ、祖父が電気ポットで祖母の頭を殴ろうとしている時に偶然私が帰宅し目撃して、
私に気づいた祖父が「これは違うんだ、遊んでたんだ」ってごまかしてきたけど、私分かってたよ。
祖母は、よく祖父に追いかけられて、裸足で外に逃げていました。
私の部屋は2階にあったのですが、祖母が私の部屋に逃げてきてタンスの陰に隠れたこともありました。
祖父は滅多に2階に上がって来ないのに、その時はしつこく2階まで追いかけてきて、ほんっとに怖かった
幸い部屋の中までは入ってこなかったので助かりました。
いったい何に対してそんなに怒っていたのか・・・
祖父の言っている内容は本当に支離滅裂で意味がわかりませんでした。
だけど、よく出てくるフレーズがありました。
祖母に対して「おまえの親、兄妹は~」「そうやって育ってきたおまえは~」と延々と批判。
家族全員に対して「自分はこんなに物事を深くまで考えてるんだ。おまえ達には考えもつかないだろう」「自分は世の中を良く知っているんだ。お前たちには分からないだろう」等、いかに自分は優れた人間で他はバカかを延々大声で怒鳴り続ける。
今ならわかります。
祖父は超重くて大きい劣等感の塊でした。
深層意識で「自分は無価値だ」という意識があるからこそ、
「自分はすごい人間だ」と言い続けなければ生きられなかったんだと思います。
祖父の考えから1ミリでもずれた物事全てに怒っていたのは、
それを見るだけで祖父自身が否定されているような気になっていたのかなと。
劣等感が強いと、誰も何も言っていないのに勝手に批判されてると思い込むことがあるから。
祖父にいったい何があって、あんな劣等感を抱えるようになったのかは分かりません。
20年近くも一緒に暮らしたけど、
いつも一方的に自分の考えをこちらにぶつけてくるだけなので、
ちゃんとコミュニケーションを取った事も無く、
私が物心ついたときには既に祖父は親戚を嫌って一切会わず、
祖母や祖父の親戚に会いに行く時は、祖父にバレないように行っていました。
もし親戚と会っていたことがバレた時にはもう・・・
怒り狂って大変でした。
親戚関係で何かあったのかもしれませんね。
祖父について家族に尋ねるのもタブーみたいになっていて、
私自身も子供心に遠慮して聞きませんでした。
当時は、なんであんなに怒ってばかりなんだろうと
ただただ悲しいだけでした。
当時は怒鳴ってばかりの祖父は大嫌いで近づきたくもなかったけど、
見えない敵と必死に戦ってたんだね。