今回は電車の中でのちょっとした一コマ

普段は地下鉄千代田線を利用しているが、車両によっては車いす用に広いスペースが設けられている

これは通常は座席として設けられている3人用の優先席スペースの座席を取り払い、車いすが置けるようにしているのだ

大体2車両毎にそのような構造になっていて、その反対側は3人用の優先席となっている

ある日、日比谷駅からその車両に乗ったときのこと

優先席は空いていたので座るかどうかちょっと迷ったが、結局座らずにその車いす用に設けられた広いスペースの壁にもたれかかって立つことに

優先席以外の普通座席は全部埋まっており、数人は自分のように立っている状態だ

そんな状態で電車は動き出し、2つ先の大手町駅で停車した時のこと

ドアが開くと同時に何人かが乗ってきて、空いていた優先席は埋まってしまった

その後に遅れて、杖をついた年配の女性と多分その娘さんだろうと思われる2人組が乗ってきた

ぐるりと見回し空いている席を探したが、一般席も優先席も空いてはいない・・・

そこで娘さんは「ほら、ここに掴まっていて」と年配の女性に話しかけ、反対側のドア付近の柱を掴ませて立たせることに


その様子は、車内は混んでいる訳ではないため、多くの人が見ているはずだが誰も何も動かない


優先席の3人を見ると、多分年配の女性のことは視野には入っているはずだが、皆気づかぬふりをしているようで下を向いている

う~ん誰か席を譲ってくれないかな?
ふと心のなかで思ったが、思うだけで誰かが行動するのを待っている自分・・・

もし自分が座っていたら果たしてスッと立って席を譲るだろうか?自信がない


電車が動き出すとちょっと車内が揺れはじめる

そのたびに年配の女性は細い身体が転ばないようにドア付近の棒にしがみついている

その娘さんもなんとかならないかな?の様子だが、娘さんから優先席の誰かに「誰か席を譲っていただけませんか?」とは言えない雰囲気だ

というかお願いを乞うのも本来はおかしい話だ

ここで自分がスッと優先席の人に「すいません、席を譲っていただけませんか?」と言おうかと思ったが、なんか勇気がなく出来ない

なんとなく辺り一体が気まずい雰囲気で電車は走り続け、次の新御茶ノ水駅に着いた時のこと

一般席に座っていた若者が「どうぞ!」と言って席を年配の方へ座るように話しかけ、娘さんはお礼を言い、年配の方を座らせた

若者はその後もずっと立ち続けていた・・・




「誰か席を譲っていただけませんか?」と言えなかった自分はいくじなしなのか?

普通席であれば座る権利があるので譲る必要はないのか?

身体が不自由な人は優先席へ行きやがれということなのか?

優先席で見ぬふりをした人たちを責めればよいのか?

いや優先席に座っている人でもそれなりの事情はあったのかも知れないし、無条件に責めるのも問題がありそうだよね


本当は、座る権利があるとかないとか、また知人だからとか他人だからとかも一切関係なくて、理屈ではなくて、ただ困っている人がいたらお互い様だよね!ということで自然に席を譲り合えるようになればいいんだよね

でもなんでそれが出来ないんだろうかとふと考えてしまう

個人の問題なのか、社会の問題なのか、都会だからの問題なのか


最近は外見だけでは席を必要とする方かどうかは分からない方が多いけど、最低限ヘルプマークを付けている方や、妊婦の方には譲りたいですよね





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