今回は、
東京藝術大学美術研究科デザイン専攻修士2年の山田勇魚(やまだ いさな)さんを紹介する



山田さんは、10月6日(火)~10月18日(日)の期間
アートコンプレックスセンターで行われている
NTRO4 コレクター山本冬彦が選ぶ若手作家展に出展している方だ






■山田勇魚さんプロフィール
東京藝術大学美術研究科デザイン専攻修士2年
主に九十九神(つくもがみ)と呼称される民間伝承をテーマにした立体作品を制作

九十九神とは日本に古くから伝わるアニミズム的な観念で、
長い年月を経た道具や生き物を寄り代にして神や霊魂が宿るとされるもの

2013年/SICF14/spiral/東京
2014年/芸大Am+香川/香川県立ミュージアム/香川
2014年/JART4/WAHcenter/New York
2014年/第二回天祭一0八/増上寺/東京
2014年/CDジャケット展/Gallery ARK/横浜
2014年/羊がいっぱい展/伊藤忠アートスクエア/東京
2015年/アートのチカラ2015/新宿伊勢丹/東京
2015年/Tokyo art crossing BERLIN/neurotitan gallery/Berlin

【山田勇魚さんHP】

Yamada Isana(山田 勇魚)HP



今回山田さんとは、
10月10日(土)に行われたアートコンプレックスセンターでのレセプションパーティーにて
お話しをさせて頂いたご縁で今回の紹介となった


 ■ □ ■ □ ■


■山田さんは現在、東京藝術大学美術研究科デザイン専攻修士2年ですが、
このように芸術系の大学へ進むことを決めたきっかけっはなんなんでしょうか?

物心ついた頃から何かを描いたり作ったりすることは好きでした。

高校の美術の先生が芸大の彫刻出身で、作家活動にも精力的な方だったので、
それが美大を受験した一番の理由です。







■そして今は作家を目指している訳ですがその理由は?

作家の道に入ったきっかけは最初の個展です。

当時私は芸大を三浪して、多摩美に在学していました。

その年の学祭展示中に若手を中心に企画しているギャラリーの方から声がかかり、
1月に個展をやる事になりました。
試験直前の時期で
はありましたが、その個展を経験したことが私の進むべき道を
決定づけたということですね。






■でも東京芸大にこだわった理由ってのはなんなんでしょうか?
(やはりレベルが一番高いということでしょうか?)

受験生のレベルの高さもそうなのですが、
括りが大きいので一つの科に様々なジャンルの人々が集まるのが魅力的でした。

デザイン科にしては珍しく作家志望の人が多く、同期は40人中10人がそうでした。



■今回の展示作品はこれなのですが、解説をお願いしてよろしいでしょうか?



この作品は【帰港】というシリーズで、

クジラを象った透明樹脂の内部に海底の沈没船を封じ込めた作品です。


私は九十九神という民間伝承をテーマに制作を続けてきました。


九十九神とは年を経て魂を得た器物や動物、植物、岩、川、山などの森羅万象のことで、

からかさお化けやぬりかべなどの妖怪を想像していただけると分かりやすいと思います。


その九十九神と、私の名前でもある勇魚(昔の言葉で鯨の意)を繋ぐモチーフとして選んだのが

沈没船です。


多くの戦没者と共に沈んだ戦艦の魂が、

鯨の姿となって港に帰っていくというストーリーで【帰港】というタイトルをつけました。



以前作っていた九十九神の作品はモチーフとなる古道具を加工して、

カメラなら眼球、松葉杖なら足の骨といった具合に、

人体の一部を内部に組み込んだ物だったのでグロテスクな見た目でした。


今回は戦艦は模型を使用しているので、

ただ内部を加工するだけではただの改造プラモになってしまうと考え、

樹脂で封じ込めて 内部に海底を表現する手法にしました。



■一番苦労したてんは?
苦労するのは制作の準備ですね。


大作だと、道具や材料の準備にお金と時間がかかってしまうので

作りたいものが決 まっていても取りかかれないもどかしさがあります。


例えば今回の鯨の作品だと型取り用のシリコンや脱泡のための真空ポンプ、

型のサイズにあった真空容器の 制作など、

作品自体の原材料以外にも様々な準備が必要になります。



■一番うれしかったこと
は?
一番嬉しいのは完成の目処が立った時と、そこからのフィニッシュワークですね。

少しずつ修正しながら完成のイメージに近づけていくのが楽しいです。




今後の展示会の予定、また今後の目標などを教えてもらえますか?
12月の18~20日にspiralでultraというアートフェアに参加します。

2016年1月の4~17日に伊藤忠アートスクエアなて猿山in青山展、
18日から2月1日まで上野で修了展があります。


近々の目標としては太郎賞受賞、
ゆくゆくはスイスのアートバーゼルに作品が並ぶような作家を目指しています。







 ■ □ ■ □ ■


山田勇魚さんの作品を拝見すると、なんか子供の頃のワクワク感が蘇ってくるよう

多分誰にも真似ができない独特の世界があるんだろうなと思う


実は山田さんは、今年1月に行われた伊藤忠青山アートスクエアでの
【-アートで祝おう2015- 羊がいっぱい! 展】
(関連記事)
♪-アートで祝おう2015- 羊がいっぱい! 展!
出展者であり、当時facebookで連絡をとったのだがそれっきりになっていた

今回のレセプションパーティーにて偶然お会いでき、
このように紹介できることになったことは自分としては嬉しい限り


今後もいろいろな展示会があるようなので、
そこで別な山田勇魚さんの一面を観たいと思う



今回はお忙しい中ありがとうございました!







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