原題:The Counselor(2013)
“不条理”
あらすじ。
「カウンセラー」と呼ばれる主人公(マイケル・ファスベンダー)は、
愛するローラ(ペネロペ・クルス)への婚約指輪を購入する為に、
恋人のマルキナ(キャメロン・ディアス)とナイトクラブなどを経営する実業家の友人のライナー(ハビエル・バルデム)から紹介された
麻薬ビジネスに加担する。
主人公は裏社会に精通するブローカーのウェストリー(ブラッド・ピット)と会い、警告を受けるが、さして気にも留めない。
足を踏み入れているにもかかわらず「自分は関係ない」と状況を楽観視している主人公は、
想像も絶するような恐怖を味わうことなど
夢にも思っていなかった。
以下ネタバレ感想。
周りで批判的な意見“しか”なかったこの映画。
ハビエル・バルデルを観たくて(先日007スカイフォールを観たので)観てみました。
もうね、何もかも不条理。
主人公が自分の置かれている状況に全然向き合わず、
様々な人から警告、残酷な殺しの装置やスナッフフィルムの話をされてもどこ吹く風。
自分には関係のない世界の話だ、とまったく取り合わない。
そのせいでいろんなフラグを悪い方へ悪い方へと選んで行き、
もう取り返しの付かないところまで追い詰められて初めて自分の状況に気がつきます。
序盤から主人公パート、裏の世界パートが別々で描かれるので
観ているほうとしては関係のない違う2つの世界が平行して進んでいっているような錯覚を起こします。
終盤に向かうにつれてその2つの世界がどちらも同じ現実の上で展開されていることを改めて認識させられます。
これはまさに主人公の心象そのものですね。
自分が関係ないと思っていた世界はすぐ隣に広がっていた、
認めたくないだけだった、と。
残酷な殺人装置も、スナッフフィルムも、御伽噺ではなく全て現実に存在している、
不条理で、極めて凄惨な世界は確実に存在しているのに認めたくなかった。
映画だけを何も考えずにサスペンス・スリラーとして見ると、陰鬱で残酷で盛り上がりに欠ける映画かもしれません。
そのせいで巷の評判もふるわないのでしょう。
しかしこれを人間の本質を描いたドラマとして観てみると、不思議と楽しめるんじゃないかと思います。
「主人公が事件に巻き込まれる」のではありません。
「主人公が事件に巻き込んでいる」のです。
自ら破滅への選択肢を進んでいった挙句、最悪の結末へたどり着くのは至極当然と云えます。
そのような感じで人間の不条理さを描いた良い作品ですが、謎が多いので大変分かりにくい。
私も重要なシーンを見逃したのかと思ってチャプターを戻しました。笑。
流れ(個人的な解釈)
主人公は婚約指輪の資金の為、
ライナーが出資しようとしていたある組織の麻薬取引に加担。
マルキナは計画を盗み聞き把握。
↓
ウェストリーは仲介人として主人公と接触。
警告は本気だった。
↓
主人公は女囚人から息子を保釈してほしいと頼まれ保釈させる。
↓
息子は組織でグリーンホーネットと呼ばれている運び屋だった。
彼はブツの横取りを狙うマルキナの一味に暗殺される。
↓
運び屋が消された事を知らない組織は
グリーンホーネットが裏切ったと勘違いし、
彼を保釈させた主人公も裏切り者として追われる身となる。
↓
主人公が裏切り者となった事でライナーも標的にされ、追い詰められて射殺される。
↓
ウェストリーは逃亡先で知り合った女と過ごす。
しかしこの女はマルキナに雇われたハニートラップだった。
↓
ウェストリーは殺され、彼の資金はマルキナの手に。
マルキナはブツを諦めてウェストリーを狙っていたのだ。
↓
主人公はローラと会う約束をするが、空港でローラが拉致されてしまう。
↓
主人公は組織に通じる弁護士に接触し、助けを乞う。
「選択は前からされていた」と諭される。
命だけは助かったように思えた。
↓
主人公の部屋に「Hola(やぁ)」と書かれたDVDが届けられる。
中身はおそらくローラのスナッフフィルムだろう、主人公は絶望する。
↓
マルキナがレストランにて投資カウンセラーと話している場面で終了。
おそらくこんな感じではないでしょうか。
こう見ると、
みんな主人公のせいでとばっちりを受けた印象です。
というか史上最低の主人公ですね。笑。
邦題である「悪の法則」というのは
「悪い事をすれば必ずいつか自分に返ってくる」ということですかね。
まさに因果応報。
