原題: Transcendence(2014)
信じ抜く事が、
どれだけ大変な事か。
あらすじ
世界初のAI(人工知能)である“PINN”を研究開発する、
天才科学者 ウィル・キャスター(ジョニー・デップ)と同じく優秀な科学者の妻・エヴリン(レベッカ・ホール)。
彼らはAIは人智を超越(トランセンデンス)し、そこから生まれる技術で世界を救うということを目標としていた。
しかし「コンピューターが世界を支配してしまう」と危惧し、反テクノロジーを唱える、過激派テロ組織・RIFTのテロ行為によって
PINN計画は中止を余儀なくされ、ウィルは余命幾許かという状況に追い込まれる。
エヴリンはウィルを救いたい一心で夫婦の理解者であるマックス・ウォーターズ(ポール・ベタニー)と協力し、ウィルの意識をPINNへアップロードする。
成功し、コンピューターの中に甦ったウィルはネット上のあらゆる情報を取り込み、驚異的なスピードで進化していく。
目標としていたように、人類の技術を超越したウィル。
だがその驚異的な技術の進化が、様々な波紋を広げていく。
以下ネタバレ含みます。
ジョニデ祭りが開催されていると聞いていたので観てみました。
AIが自我を持ったらどうなるのか、というのを描いています。
人がコンピューターの情報収集・処理・演算能力を手に入れたら、
理系に疎い私でも「なんだかオラ、ワクワクすっぞ」となることが分かります。
ナノマシン技術をメガシンカさせて怪我はもちろん先天性の盲目を治したり、おまけで約350kgのものを軽々持ち上げられる筋力といつでもジョニデになれる機能も。
夢のような技術ですが、実際に人の領域を遥かに超えた技術を目の当たりにすると、結構みんなどん引き。
案の定、警察や軍まで「これなんかやばくね?」という勝手な妄想を膨らませて、テロ組織と手を組んでしまいます。
ウィルvs人類みたいな構図となるのですが、
いざ蓋を開けてみたら
遺された妻への愛を持って最初から最後まで世界を救おうとしていたウィルと、
手段を選ばず勝手な妄想で突っ走って全てをぶっ壊したアホ人類という様相でした。
モーガン・フリーマン演じるジョセフ・タガーが初めてAIとなったウィルに会うシーンで、
「自我があると証明できるのか?」と聞くのですが、ウィルは
「ジョセフ、あなたはできるかい?」と返します。
実はPINNと会った時にも同じ質問をし、まったく同じ答えが返ってきたのですが、それを覚えていたジョセフは
「アカン、こいつウィルやない、ただのマシンや!」
と早とちりしてしまうのです。
しかし実際は「おまえそれ、PINNと同じやないかい!」というジョセフの突っ込みを期待して云ったユーモアだったわけです。
力を手に入れたコンピューターはしばしば暴走するものとして描かれますが(次のアベンジャーズね)、
ウィルはしっかりと自我を持ち、全ては世の為人の為、そして最愛のエヴリンの為に技術を進化させ続けてきたわけです。
最終的にはナノマシンの再生技術により、自身の肉体まで甦らせたウィル。
ウィルの身体にウィルの意識。
それはまさに“ウィルそのもの”なのに、目の当たりにして怯えるエヴリン。
そのシーンに人間の不条理さを感じました。
結局ウイルスによってウィルは破壊されてしまいます。
人は目に見えるものを信じる傾向にあります。
例え最愛の人がコンピューターの中で生きていたとしても信じられず、生身の人間のいうことを信じてしまう。
人は強い先入観を持ってしまう傾向にあります。
例え目の前にいるのが紛れもない最愛の人でも、
「死んだはずの」という先入観が邪魔をして信じられない。
想像を超えた大きな変化(=特異点)を受け入れるのは難しいです。
どうしても安定を求め保守的な考えが先行します。
しかし、それを超えることが出来れば確実に先へと踏み出すことができる。
オーバーテクノロジーが招く危機というよりも、人間の本質に迫った作品だと感じました。
さくっとモーガン・フリーマンが出てきて、そのあとすぐにキリアン・マーフィーが出てきたところで「ん?」と思ったんですが、
あとで調べたらこれ、監督は違えどクリストファー・ノーランが製作に携わっているではありませんか。
妙に納得しました。
あんまり評価はよくないようですが、個人的にはすごく好きな映画です。
