ミュージカル「無伴奏ソナタ」…私は8月1日に観劇しましたが、昨日8月11日に大阪公演千秋楽を迎えたことと思います。

この作品はネタバレなしで観てほしい…という感想を別のSNSで見かけ、私が書くとネタバレになるかなぁ…と悩んだ末、大千秋楽日過ぎてアップです(すでにストプレ版感想でネタバレしまくってるんだけど)😅

舞台の良さを伝えて、多くの方に観に行っていただけるような記事を(間に合うタイミングで)書きたかったのだけど、力不足で残念。映像や再演で観る方が増えると良いな〜と願っています。

出演(敬称略)

平間壮一、多田直人(キャラメルボックス)、大東立樹、熊谷彩春/藤岡正明
畑中智行(キャラメルボックス)、原田樹里(キャラメルボックス)、染谷洸太、西野 誠、町屋美咲/霧矢大夢


「無伴奏ソナタ」は劇団キャラメルボックスのストレートプレイで、これまで3回上演されているそうです。

私は2018年5月の公演を観ました。


そのストプレ版に本当に感動していたので、今回ミュージカル版が作られると聞いて、楽しみと不安が半々でした。

音楽がテーマの舞台だからミュージカルにはピッタリだろうけれど、「作曲の天才が音楽を禁じられたらどうなるか?」を描く話に、本来の音楽や歌と、台詞代わりのミュージカル歌唱が一緒になると混乱しないか?逆に物語の中での音楽の価値、希少さが損なわれないか?と。


実際に舞台を観て、そういう部分がなかったとは言わないけれど、ミュージカルとして平間壮一くん、霧矢大夢さん、藤岡正明くん、熊谷彩春ちゃん…の素晴らしい歌声が響き、全編が音楽に彩られることで音楽性が高まり、「もしも音楽の天才が、音楽を禁じられたら?」というテーマがミュージカルファンに刺さったのでは?ミュージカルになったことで、より多くの人の心に届いていることを願います。


平間壮一くんは、ミュージカル「ダ・ポンテ」でも音楽の天才(モーツァルト)を演じていましたが、何を失ってでも音楽を生み出すことに純粋な喜びを見出す無垢な魂を感じました。

霧矢大夢さんのハウスキーパー・オリビアは母性でクリスチャンを包み、

熊谷彩春ちゃんのウェイトレス・リンダは美しい歌声で、クリスチャンの中に眠っていた音楽への渇望を目覚めさせます。

藤岡正明くんが演じた役は、"汚染"の原因となったリスナーも、クリスチャンにピアノを勧めた後、通報してさらに罰を重くしてしまったレストラン店主・ジョーも、悪気なくクリスチャンを追い込んでしまったけれど、ラストで「シュガーの歌」を歌う若者の1人としてはこの物語の集大成(と幸福)を担っていました。

大東立樹くんはギター弾きの若者として、(適性、才能と関係なく)ただ歌が好きな気持ちを他の作業員たちに広めます。私が大東くんを観るのは初めてだけど、「ダーウィン・ヤング」のダブルキャスト(私が見てなかった日の)主役だったと知り、彼のダーウィンも見てみたいと思いました。


皆さま適材適所の配役の中、特に別格で目が離せなかったのは多田直人さんウォッチャー。ストプレ版を観たことがある方は皆、同じように感じたのではないかと思います。

ストプレ版クリスチャンだった多田さんがウォッチャーを演じている…となると、あのウォッチャーは(罰としてウォッチャーの任務についた)クリスチャンに、ミュージカル版はストプレ版の続編に見えてしまって登場のたび、涙を抑えられませんでした。


この物語の"幸福法"は、本当に人を幸福にしたのか?

自由は競争、争いに繋がるのか?あらためて考えてみたいと思います。