K-BALLET Optoの第三弾の舞台に足を運びました。

K-BALLETによる古典バレエは7年前から観ていますが、Optoは初めてです。これまでのOptoはKAAT神奈川芸術劇場で上演されていて、行くのが少し億劫だったのと、環境問題などを扱った"時代性のある新作"、コンテンポラリーへの苦手意識もあり…。


今回は初めての都内、池袋の東京芸術劇場プレイハウス公演ということで、思い切って観に行きました。

タイトルは「シンデレラの家」


でも、おなじみの童話「シンデレラ」ではなく、最果タヒさんの詩「シンデレラにはなれない」を原案とした現代日本のヤングケアラーの話。

会場で配られたプログラムの「あらすじ」は衝撃的でした↓


認知症の祖父、心を病んだ母、異父妹の世話に明けくれる"シンデレラ"。現実か夢かわからないひとときの自由、学校のダンス…0時の鐘とともに訪れたのは祖父の死…というのは残酷😱


音楽は使い古した家電を生まれ変わらせた"電磁楽器"、浮かぶ装置、スロープ、四角い枠、激しく踊るダンサーたち…全ての歪みが狂気と絶望に見えます。


それでいて、ところどころに挟まれるプロコフィエフ作「シンデレラ」の音楽や、クラシックを極めたダンサーたちの身体表現からの美も感じました。


シンデレラ役の小林美奈さん…実は古典姫系役の美奈さんは苦手だったのだけど、最近のカラボス、ミルタを見て、強い役の美奈さんは素敵だなと思っていて、今回の"シンデレラ"の現実と戦う少女はさらに魅力的でした。


母の酒井はなさん…バレエ観劇歴短い私だけど、どこかで拝見した記憶ある…と思ったら、劇団四季の「コンタクト」でした!今も現役で踊っていらしたんですね!狂気の母の存在感と踊りに戦慄でした。


祖父の森優貴さんからは怖さ、哀しさ、優しさを感じ、伯母の白石あゆみさんの柔らかさが印象的。義妹の岩井優花ちゃんは、あまり見られなかった(同時に見るべきものたくさんありすぎ)けど、あの若さでこの舞台のメインキャスト…今後がさらに楽しみですね。


青年医師の杉野慧くんは登場が終盤だったので出番待ち遠しかったです。あらすじからわかっていたけど、王子様ポジションではなくて。はなさんとのパ・ド・ドゥは精神科医が患者を抑えつけ、拘束して連れて行く表現?たしかに母を連れ去ることで"シンデレラ"に自由を与えてくれる存在だったけれど、ラスト、1人残る彼女…苦い結末でした。