「レント」マークのオリジナルキャスト、アンソニー・ラップの自伝的ミュージカル「WITHOUT YOU」を見に行きました。


会場のIMM THEATERって初めて聞くなぁ🤔と思ったら、今年東京ドームシティにオープンしたばかりの、吉本興業の劇場なんですね😳⁉︎

水道橋駅から向かって、劇場はすぐにわかったけれど、ドームシティ方面に歩くと入り口に辿り着けず、一旦2階からホテルに入ってホテルの車寄せで劇場入口を教えていただきました(申し訳ない💦)。


舞台はアンソニー・ラップが「RENT」の曲を歌いながら、「RENT」誕生の過程を語り、オーディション、ワークショップと進んでいきます。当然のことだけど、アダム・パスカルやイディナ・メンゼル他のオリジナルキャストが集まってくるところにワクワクしました。


「RENT」制作についての話ならば、プレビュー初日未明のジョナサン・ラーソンの死がクライマックスになるのだろうとの心づもりで観ていたら、意外と展開早く、舞台前半で、もうプレビュー前日…アンソニーがジョナサンに、役者にとってfulfilling to performで観客にとってmovingな舞台を作ってくれてありがとう…と伝えようとしたけれどジョナサンはインタビューを受けていたので伝えずに帰ったとの場面に。まさか、このまま会わずに?と思っていたら、やはり翌朝、電話でジョナサンの死を知るアンソニー。どれだけ衝撃的だったことか、推しはかるのも不可能だと思います。

ジョナサンの両親の前で始まるプレビュー…「One Song Glory」の歌声が圧倒的で、ジョナサンにとって「RENT」という作品がまさにOne Stage Gloryだと実感しましたが、それにしても早すぎる。


さて、舞台が始まって意外なほど早くジョナサンの死が訪れ、この後は何の話になるのだろう?と思っていたら、アンソニーと彼の母親の別れがじっくり丁寧に描かれました。セクシュアリティの告白、HIVで亡くなる友人たちは、先日観た「インヘリタンス」のヘンリーの時代に被りますね。

母の病床に付き添い、ゆっくりと覚悟の上で別れの時を迎えた…と観ていたので、母を失った後の慟哭、叫ぶような歌声に驚きました。「Without You」…「RENT」の中での使い方(相手が亡くなる前に仮定で歌っている)とは違い、愛する人が死を迎えた後で歌われるのは、もはや自分自身の死を宣言しているのに等しい。


Without you あなたがいなくても

The hand gropes 手は握り

The ear hears  耳は聞き

The pulse beats 脈は打つ

Life goes on 人生は続く

But I'm gone でも私はいない

Cause I die  私は死んでしまうから

Without you あなたなしでは


の歌詞が心に刺さります。

ここでまた思い出したのは、先月初めに観た「Play a Life」。あのミュージカルでは妻を失った夫が、妻なしの自分の人生はないと、妻のいる生活を演じ続けていたけれど、アンソニーはどんな気持ちで「WITHOUT YOU」を演じ続けているのだろう?

何度も何度もジョナサンの死、母の死、その時の感情を蘇らせるのは苦しいのでは?と思いましたが、同時に、生前のジョナサンとの会話、母との会話…を優しい声と表情で再現していたアンソニーの笑顔が浮かびました。

もしかしたら、この舞台を演じることで何度でも、彼らが生きていた幸せな時間を繰り返しているのかもしれませんね。