私がクラシックバレエの公演を生で観るようになって7年経ちました。
きっかけは都民劇場でKバレエの公演を見始めたことなので、7年間、ほぼ毎公演観ているのはKバレエだけで、他に東京バレエ団、谷桃子バレエ団などを観た回数はそれぞれ3回以下かな?

新国立劇場バレエ団も本当に生で全幕を観るのは「不思議の国のアリス」以来の2回目(コロナ禍中の配信は観ていましたし、映像で観られる範囲ではかなり拝見しています)で、まだまだ新鮮で驚きがありました。

今回、「ホフマン物語」を観ようと決めたのは、いろいろな意味でお得感あったので。
まず、3人のヒロインが登場し、オリンピアの場面はコッペリア風、ジュリエッタの場面はシェヘラザード風…等、いろいろな踊りが観られる。
さらにこの25日公演はアントニアを小野絢子さん、ジュリエッタを米沢唯さんが踊るって…プリンシパルが2人観られるって滅茶苦茶お得だわ〜と思いました。

幕が開き、プロローグは街角のカフェ…ここでまず驚いたのがダンサーさんたちの体型…男女ともクローンですか?っていうくらい揃ってる。ダンスも、分度器で測ってますか?床に八方向描いた上でレッスンしてるんですか?って思ったくらい角度から正確で、一糸乱れず揃った美しさ…端正、上品という形容が頭に浮かびました。
さらに、プロローグでソロを踊るホフマンの友人3人(石山蓮さん/小野寺雄さん/山田悠貴さん)が、長身、細身、似たタイプのスッキリしたイケメン!たとえばKバレエだったらダンサーが個性的なので、ソリストクラスを3人踊らせようとすると、身長やタイプがバラバラになると思う(それはそれで好きだけれど)。新国立の人材レベルからの充実を、プロローグから見せつけられました。

主役ホフマンは2016年からプリンシパルの奥村康祐さん。1幕は人形オランピア、2幕は令嬢アントニア、3幕は娼婦ジュリエッタと踊ります。ホフマンは同じ人物なのだけれど、幕ごとに踊りのタイプとパートナーが変わることで、一作品で1人のダンサーの様々な踊りを観られるのも魅力ですね。ただストーリーで考えると、毎回、悪魔?に邪魔され、恋する相手を失うホフマンが可哀想。ラストも悪魔に一矢報いることもなく、ただ静かに終わるだけなんだ…😨

その悪魔…と言って良いのかわからないけど、毎回、ホフマンの邪魔をするリンドルフ/スパランザーニ/ドクターミラクル/ダーパテュート…は昨年ファースト・ソリストに昇格された中家正博さんで、個性的な悪役を演じ分ける演技力が素晴らしかったです。

人形オランピアはソリストの奥田花純さん。初めて拝見したと思いますが、大きな目が印象的で、まさにフランス人形みたい。ちょっとカクカクと動く人形振りがキュートでした。

音楽家の娘アントニアは新国立プリンシパルと言えばこの人…の小野絢子さん。以前(客演の)ジュリエットやアリスを観たこともありますが、本当に優雅でたおやかで綺麗✨このアントニア…身体が弱くて、踊っているうちに(過度な運動で)死んでしまうって設定はジゼルのオマージュだったりするのかな?

高級娼婦ジュリエッタは米沢唯さん。お名前はかねがね…で、写真も拝見していましたが、初めて生で観て驚きました。こんなに美人だったんだ!役柄のためもあるかもしれませんが、赤いアラビア風衣装が似合う華やかで色っぽい美女に見惚れました〜。また、生で観せていただく機会を持ちたいです。