3回目「トッツィー」…座席からの光景はこちら↑
グランドサークルの下手端…舞台との距離は近いです。
この席は舞台の奥行が感じられ、ダンスのフォーメーション、前後の動きや距離感、スピード感などが良くわかって興味深く、アンサンブルの皆さんの動きに目が行きました。
最初の(ニューヨークの)リハーサルシーンでマイケルがクビになった後、アンサンブルのダンサーたちがマイケルの背景や境遇を歌い、何かコロスっぽい。舞台装置の移動も彼らが行い、その際はできる限りオープニングの衣装になっているのはやはり進行役のような意味があるのでしょうね。ブロードウェイの俳優たちの間で語り継がれる伝説のドロシー(マイケル)物語…みたいな感じ?
女装やコメディがクローズアップされるけれど、頑張っている女性たちへの応援歌…の部分も大きいと思いました。
そもそもこのタイトル「トッツィー」の意味(ネイティブが受け取るニュアンス)が今ひとつわからないけれど、トッツィーと呼ばれたドロシーの反応…「私はトッツィーでもハニーでもベイビーでもないわ」から察するに、"ねーちゃん"みたいな感じ?男性は名前で呼ばれるのに女性は十把一絡げにされてしまうことに対するアンチテーゼなのか?
マイケルが女装してドロシーとなることで、それまで知らなかった女性たちの悩み、苦しみを知る話だけれど、そもそもマイケルはドロシーになった最初からジュリーと意気投合しているし、サンディにも慕われているし、女性への共感性の高さがいっくん(山崎育三郎くん)に通じますね。
登場する女性が皆、魅力的なのも良かったです(足を引っ張ったり、女の敵は女…みたいにならないのは、ある意味、ファンタジーだけど)。
ちゃぴちゃん(愛希れいかちゃん)ジュリーはとにかくカッコ良い。
宝塚で娘役になる前、男役だったというキャリアが生きていて、クラブシンガーとして歌う場面は、まさに元男役の真骨頂。
芝居との出会い〜恋〜別れを歌った1曲は美しくも切なく、まるで1人ミュージカル 。「ラスト・ファイブ・イヤーズ」ちゃぴちゃんで観てみたいと思いました。
ラスト…「少しハイヒールを履いて歩いたからと女性をわかった気にならないで!」とピシャリと言うところは小気味良いし、この後、マイケルとジュリーは出会いからやり直して、良いパートナーになるんだろうな…と想像させる終わり方が温かくて良いなーと思います。
昆ちゃん(昆夏美ちゃん)サンディはとてもキュートなコメディエンヌで、これ、他にできる人いないのでは?
オーディションシーンの短い歌以外は1曲をリプライズしているのだけど、"未来が見える…"と歌い出すと、キタキター!と嬉しくなってしまいます。めちゃくちゃ難しい歌だと思うし、サンディはパニクってるのだろうけど、外から見ると面白いし、チャーミング。
ドロシー=マイケルと知った後、ラストの大暴れ、だんだん激しくなってるみたいで、千秋楽はどこまで行くかと楽しみ。
「女王様とお呼びー」…がカッコ良くて好き。
もう王子様を待たない、おとぎ話を捨てる…みたいなセリフは女性側も変わらなければいけないことを教えてくれます。
そして、この舞台に不可欠なのは、すでに成功した女性=キムラ緑子さん演じるリタ。
そもそもリタがいないとこの話成立しない。プロデューサーで権力を握っている彼女がいなければドロシーは採用されず、ストーリー改変も許されなかったはず。
「私が成功したのは誰も私を止められなかったからよー」とドロシーと同じセリフを言う彼女が最高にカッコ良くて、「トッツィー」スピンオフで、ここに至る彼女の物語を見たいくらい。
手持ちチケットは残り1回分(東京千秋楽)
男性陣感想は、またその時に。
ファンクラブのライブ配信時にいっくんがサインしたドロシー…胸の辺りに黒でサインしたら見えづらかったので、腰のあたりに白でサイン↓