年内(明日まで)にこの記事含めて3本アップしたいと思っているので、なるべく簡潔に…




「赤と黒」の翌日観たオリジナルミュージカル「エージェント」。こちらも確か出演者16人くらいで、コンパクトなミュージカルでした(そして、これも「赤と黒」同様、福田響志くんが共同脚本で関わっている)。


この日、大千秋楽を迎えたライラ・サマーズ役の彩吹真央さんがカーテンコール挨拶で、「新しいミュージカルの可能性を開く舞台」みたいな(ニュアンスの)ことを言われたのだけど、本当にその一言に尽きる舞台でした。新しさはあるけれど、現時点はまだ未熟で、伸びしろしかないと言うか…(彩吹さんはそういう意味で言ったのではないと思うけど)💦


ストーリー、設定、展開が雑で、ツッコミどころ多数。特に、敵組織の包囲網を突破して(散々、戦った後)、女ボスのところにたどり着いた時のセリフ…「気をつけろ!あいつ銃を持っているぞ!」には気持ちつんのめりそうになりました。現代の捜査官と犯罪者(の手下)が、敵も味方も(女ボス以外)銃持ってない?何で正々堂々と素手で戦ってるんだ?

主筋の拉致されたヒロインを皆で助けに行くっていうのも安易な展開に思えてしまう。私、○十年前、地方のアマチュアミュージカルで、この筋立てを2本連続観たことがあり(別々のカンパニーで、片方はギャングもの、片方はSFもの)、素人でも盛り上がり作れる便利な設定だなぁと思っていたので、まさか○十年後、プロの舞台でそっくりな話を観ることになるとは…😅

あと、殺陣が途中からダンスバトルになるのは、観ていてちょっと居たたまれない(恥ずかしい?)気持ちに。ミュージカルアンチの方たちから何で急に歌う?ってよく言われるけど、急に踊る方がずっと不自然(で恥ずかしくなる)と思いました(たぶん、演出によってもっと自然にできるはず)。


と、何かディスってしまいましたが、その辺を補って余りあったのがダンスの新しさ。いわゆるブレイクダンスとか、ヒップホップとか?私は全く詳しくないのでよくわからないけど、とにかく今の若者にウケる新しい(ダンス系YouTuberとかで人気の)踊りが全編で使われ、こんなダンス・ミュージカルは今まで観たことないし、今の時代に作るミュージカルにとって一番大切な新しさかもしれない?そういう意味で、これからのミュージカルの可能性を開く舞台だと思います。


ミュージカル俳優、ダンサーでも、これをいきなり踊りこなすのは難しいだろうというようなダンスだったけれど、見事に披露した屋良朝幸くん、植木豪くん、原嘉孝くん、寺西拓人くん他のキャストはさすがだなぁと思いました。

彩吹真央さんはカッコ良いジャーナリストでキャスト全員のお姉さん感あり。

ミュージカルで見慣れた顔は、木内健人くん…「SPY×FAMILY」とは全く違う、エージェントのボス(でオタク気質)役がカッコ良く面白かったです。

そして一番、これ観られて良かった〜と思ったのは可知寛子さんのインフルエンサー&女社長…実は恐ろしい企みを持っている女ボス?かーなり強烈なキャラを振り切って演じていたのが、さすが可知さん…と大活躍が嬉しかったです。