「四月は君の嘘」…1週間で2回(月&金)観劇しました。

コロナ禍で中止になった舞台、2年遅れたけれど、上演されて本当に良かった。



5月9日マチネキャスト↓


5月13日マチネキャスト↓


昨年末に同じ日生劇場で上演された「北斗の拳(フィスト・オブ・ノーススター)」同様、漫画原作でフランク・ワイルドホーン作曲の日本オリジナルミュージカル。

「北斗…」に比べるとスケールは小さいし、欧米発の名作ミュージカルに比べると詰めが甘いと思うところあるけれど、私は好きかな?

かつて観た舞台「カルテット」、「船に乗れ」、映画「ミュジコフィリア」でも感じたけど、音楽にかける青春…って何か眩しくて、キュンとする。自分自身、縁がなかった(お稽古ピアノは高校生までやってましたが)世界なので、憧れもあるのかな?


以下、感想ですが、ネタバレありですので、ご注意ください。


装置、衣装


客席に座ってまず目につくのは、グレー(灰色)の、桜の透かし模様が入った、二重プロセニアムアーチ。墨絵みたいで綺麗。

メインの装置はグレーの階段と、高さの違う足場?台?この装置にも桜の透かし模様あり。

背景になる幕もグレーを多用。

例外的に色があったのは宮本かをり(生田絵梨花ちゃん)の家(ケーキ屋)くらいで、学校や病院も色味は少ない。

これらは公生が母を亡くし、ピアノが弾けなくなり色を無くした世界を表しているのでしょう。

そして装置…回ります。そう、演出は上田一豪さん!「笑う男」、「ネクスト・トゥ・ノーマル」に続いて、また回り舞台。今回は二重盆で、中央のグランドピアノと立っている人が逆に回ったりと効果的。

ただ、階段や台(手すりなし)の上に人を乗せて、舞台回るのは怖いなーと思って見てました。高所恐怖症では舞台俳優になるのは難しいということですねー。

有馬公生(木村達成くん)とかをりが出会うことで世界がカラフルになる、というセリフを聞いて、ラストはプロセニアムアーチが七色に光ったたりするのか?と想像したけれどそんなことはなく、色を感じるシーンは最初と最後の四月…背景いっぱいの桜です。桜を本当に美しいと思い、でも少し泣きたくなるのは日本人のDNAかな?


衣装も基本的に色味少なく、学生服は男女ともグレー系(ネクタイのみエンジ)。コンクールのコンテスタントたちも、グレーなどモノトーン多く(1人青)、その分、渡亮太(9日寺西拓人くん/11日水田航生くん)と澤部椿(唯月ふうかちゃん)の部活ユニフォーム、かをりが演奏する時のドレス(黄、ブルー)が際立ってカラフルに見えました。公生にはカラフルな衣装なく、色を無くした彼の世界が実感できます。入院したかをりのパジャマ、カーディガンは薄いピンクで儚い桜のよう。



以前、FNS歌謡祭で歌われた、「僕にピアノが聞こえないなら」、「パーフェクト」、「Speed of Sound」が代表曲だと思います。

個人的には、プロローグの「僕にピアノが聞こえないなら」の場面が好き。ここで完全に心掴まれました。

上手に現在の有馬公生(木村達成くん)が立ち、中央のグランドピアノを子どもの時の公生(9日ポリエルマレック健太郎くん/13日佐藤凌くん)が弾く。この時指づかいは客席から丸見えで、音は別人としても、あの指の動きはすごい。下手には車椅子が置かれ、そこから公生母の声(木村花代さん声のみ出演)。

幼い公生は、自分が練習して上手くなれば母の病気が治ると信じているのに、コンクールで優勝しても母に認められず、母はそのまま亡くなってしまう。母を亡くした公生は自分が弾くピアノの音が聞こえなくなり、世界は色を無くしたと歌う。"飲み込まれる白と黒の檻に"という歌詞からピアノの白鍵と黒鍵?あるいは五線譜?に囲まれて逃げ出せない公生のイメージが流れ込んできました。

ここまでのプロローグが圧巻で、拍手しながら、ここで舞台終わっても足を運んだこと後悔しない…と思いました(縁起でもないけど、このご時世、つい考えてしまうんですよね)。

一幕終わり近くの「Speed of Sound」は、ワイルドホーンもこんな爽やかな曲が書けるんだなーとテレビで聞いたときから良いと思っていたけれど、使われるシチュエーションは想像を超えていました。コンクールに遅刻しそうな公生とかをりを渡と椿が自転車で送る(「体育会なめるな!」)場面からの始まり。ここは自転車の速度が曲のスピードに合わなかったのが少し残念。むしろ自転車は止めて背景映像でスピード感出すのが良いのでは?途中からダンスが入って、ダンスナンバーとして躍動感あり。公生の"もう逃げない君がいれば"のハリのある声、決意表明が好き。そしてラスト、場面がコンクール会場になり、若い音楽家(コンテスタント)たちのコーラスになると瞬間、声がクラシックな響きに(高さも上がった?)変わり、競争心剥き出しの若者たちが"誰に女神は微笑むか"…と歌う。ここ、ちょっと鳥肌(良い意味で)。この1曲の高揚感。これぞミュージカル!と思いました。

まあ、多作なワイルドホーンさんなので、たまにワイルドホーン節なのか?聞いたことあるメロディーが入るのはご愛嬌?何度もリプライズされる「映画みたいに」の中でデスミュ&北斗の主役ナンバーを思い出す旋律が混じっているのは、その度に気持ちが削がれてしまって困った。

あと、有馬公生がどれほど凄い天才かをコンテスタントたちが歌う「あいつの背中を追いかけて」には、「北斗の拳」の某場面を思い出し、この曲も「あいつこそがピアノの王子様」ってタイトルが良いんじゃない?と妄想してしまった(笑)。


長くなるので2回に分けて、出演者感想は次の記事にします。