昨年の観劇納めは私にとって超アウェイな舞台
『晦日明治座納め・る祭~あんまり歌うと攻められちゃうよ~』でした。

あまりにアウェイで、どう感想まとめれば良いかわからず、感想ブログはなるべく観劇日順に書こうとして、ここで更新が滞ってしまっているという…(;^_^A

もう記憶も薄れてきたし、簡単にチャチャっとまとめたいと思います。


明治座で年末、る・ひまわり制作、若手俳優出演の歴史パロディみたいな舞台をやってるなーというのは数年前から知ってはいたんですけどね。

以前テレビ埼玉等で放送されていた「戦国鍋」とカラーが似ているようだけど、同じ流れなのかな?と思いつつも確認はせず、お友達の感想ブログなどを読んで、ふーん、そういう舞台なんだーとかつぶやきつつ、まさか自分が観に行く日が来るとは思っていませんでした。

今回、観ようと思った主な理由は2つ

1)今年の題材が阿弖流為だったこと。
2)原田優一くんが出演したこと。

ま、この2つの理由があっても、一人では行けなかっただろうなー。
今回、お友達が一緒にチケットとりましょうか?とお声をかけてくださったので、観ることができました。感謝です。


さて、観劇理由1)の阿弖流為についてですが・・・

この題材、特に阿弖流為(あてるい)と坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)の戦いと友情を描いた話が好きで、高橋克彦氏の著書「火怨」の世界観を自分のベースとしつつ、TSミュージカルファンデーションの「AKURO」、ミュージカル座の「カムイレラ」、「氷刀火伝」、新感線の「アテルイ」、歌舞伎NEXTの「阿弖流為」など、いろんな舞台のいろんな解釈を楽しんできました。
そんな私の視点から見て、この「る・ひまわり版阿弖流為」も、面白かったです。

三上真史くん演じる坂上田村麻呂は、生まれつき他人の心の声が聞こえてしまうという能力を備えているために、人間を信用できず、心を閉ざして生きてきた。

それに対して大山真志くん演じる阿弖流為は本能のままに生きているように大らか。全く裏表がないので、その発する言葉と心の声が完全に一致している。

屈折した田村麻呂と屈託のない阿弖流為という組み合わせは意外でしたが(今まで見たものは、田村麻呂を真っ直ぐな武人と設定したものが多かったので)、三上くんと大山くんのキャラに合っていて、納得がいくストーリーになっていました。

いっぱいおふざけもあって笑った後だけれど、阿弖流為が田村麻呂に倒されることを望み、斬られる瞬間、心の声で詫び、蝦夷の未来を託すところなどウルッとくるクライマックスでした。


観劇理由2)の原田優一くん(優ちゃん)については、意外な役でしたねー。

鷲葛城(わしかずら)という阿弖流為たちとは違う蝦夷部族(たしか津軽に住んでる?)の長。
キャラ的には、TSの「ちぬの誓い」で今さんが演じていた陰陽師に似てるかな?ねちっこい悪役。お笑いもあり。
衣装もゴージャスに津軽弁で朗々と歌う「愛の賛歌」は笑うべきか?聞きほれるべきか?

阿弖流為たちが蝦夷の誇りを重んじ、大和に見下されることを許せないのとは対照的に、誇りよりも実利を重んじ、大和や外国との貿易で富を蓄えている部族。
蝦夷だけれど、事実上は大和朝廷側で、阿弖流為たちの暗殺を企てたり…
嫌味たっぷりに阿弖流為たちをいびるところも、悪だくみを話し合う腹黒さも、
優ちゃん楽しんで演じてるんだろうなー。
たしか、以前アメスタで(ニコ生だった?)、徹底的な悪役をやりたいって言っていた(話してた相手は今回演出の板垣さんだったかな?)ので、念願かなって良かったねっ。
これから年を重ねるにつれて、ああいう役も優ちゃんのレパートリーに入ってきそうな気がします。優ちゃんの新境地(?)いち早く観ることができて満足。


他は、印象に残った出演者(役柄)をランダムに。

高嶺ふぶきさん:アラハバキ神
もしかして紅一点だった?蝦夷たちがあがめる神を美しく演じていらっしゃいました。
高嶺さんと言えば、日本で初めて「エリザベート」のフランツ・ヨーゼフを演じられた方。その時の出演者の一路さん、花總さん、香寿さんは今も東宝等の舞台でよく観ていますが、高嶺さんは、たまに思わぬ舞台で(前回観たのはミュージカル座の幕末の話だったはず)遭遇しますねー。

平方元基くん:阿高楽(あたから)=阿弖流為の兄
元基くんは、この若手舞台の中ではもう頭一つ抜けてるんじゃないかなー。
蝦夷の前リーダーで、弟・阿弖流為の後見的な役(眼帯つけて足を引きずっていたから、たぶん戦いで負傷してリーダーを弟に譲ったと思われます)を演じている様子は頼もしく、安心して観ていられました。

辻本祐樹くん:母礼(もれ)=阿弖流為の参謀
ミュージカル「冒険者たち~GAMBA9」でイカサマ演じてた子ですね!
この舞台では、母礼が蝦夷たちの頭脳で、優秀な参謀であることが描かれていて良かったです(新感線版、歌舞伎版では女性で巫女的存在だったからちょっと違う)。

安西慎太郎くん:綿麻呂(めんまろ)
田村麻呂の腹心の部下かと思っていたら実は…という役どころ、印象的でした。
今回、初めましてだと思うけど、次は「アルカディア」で観られるみたい。

前山剛久くん:伊佐西古(いさせこ)
阿弖流為の仲間の中で目立ってました。「船に乗れ!」メンバーの活躍はうれしいです。

井澤勇貴くん:諸絞(もろくり)
阿弖流為の仲間役。井澤くんを最初に観たのは優ちゃんが出ていた「100年のI Love You」だったなぁ。

木内健人くん:蓮杖陀(れんじょうた)
阿弖流為の仲間。やっぱり「船に乗れ!」メンバーなので応援します。

西川大貴くん:阿奴志己(あぬしこ)阿高楽の親友
ミュージカル座の「氷刀火伝」では阿弖流為の息子を演じていた西川くんがこんなところに!と驚きました。さらに蝦夷のことを良く知って、「氷刀火伝」再演があったら生かしてほしいなー。

千田真司くん:物部賽々泰(もののべさいさいしん)
蝦夷を支援する物部一族の役…って解釈で良いかな?すごくダンスが上手い人がいる…と思ったら千田くん。元トートダンサーですから上手いのは当然。もっと踊ってほしかったなぁー。

以上、まとまりのない文だけど、とりあえずの感想として、ここでアップします!