先週の土曜日、ティアラこうとう大ホールで上演されたミュージカル「アプローズ」を観に行ってきました。
主役のマーゴは前田美波里さん。
1980年台に劇団四季でもこの役を演じられたことは本などで読んで知っていましたが、私が舞台を観はじめた頃には退団されていたので私にとっては幻&伝説の舞台。
・・・と、思っていたら、劇中のマーゴの台詞に「伝説の女優なんて呼ぶのはよしてちょうだい、私はまだ生きてるのよ。」という台詞があって・・・失礼いたしました。
大女優マーゴを演じる美波里さん、素晴らしかったです。
四季の写真で見た30年近く前のマーゴと全く印象が変わらないスタイルと華やかさ。
歌って、踊って、まさしくこの役をやるために生まれてきた人ですね。
平凡な田舎娘と思っていたら、策を弄してチャンスをつかみスターへの階段を上り始めるイヴは上田亜希子さん。初登場時の全くあかぬけない様子と、成功をおさめた二幕との対比が際立っていました。
何といっても、この作品の魅力はバックステージものとしてのナンバー。
ショーなどでもよく歌われる「アプローズ」は、アプローズ(喝采)を求めて舞台から舞台へ渡り歩くダンサー(ジプシー)たちの華やかでエネルギッシュなナンバー。歌の中に、「キャバレー」、「エニシングゴーズ」、「屋根の上のバイオリン弾き」など、いろいろな舞台のナンバーも組み込まれていて楽しく、ジプシーたちの舞台にかける想いに心打たれました。
マーゴのソロ「ようこそ劇場へ」も圧巻。
ショービジネスの汚い面を散々皮肉った後でのラストの一節、「ようこそ劇場へ 馬鹿ね とりこになるわ」の歌詞が胸に迫りました。
もう1つ、この舞台で嬉しかったのは大人の恋物語が描かれていたこと。
舞台の中でも恋はいつも若い人たちのもので、すっかり大人になった自分には無縁のものと思っていたけれど、この舞台ではマーゴと演出家ビルの大人の恋が見られ、私以上の年齢でもまだ恋はできるんだ(本当にするかどうかはともかく)と嬉しくなりました。
ビル役の石原慎一さんと、脚本家バズ役の越智則英さんは、昔、ステキなお兄さん・・・と思って見ていたけれど、久しぶりの再会で素敵なおじ様たちになっていてドキドキしてしまいました。甘い歌声は変わらず、これからもいろいろな舞台に出てほしいです(越智さんは、「スウィーニートッド」で万里生くんと共演のはず)。