誰かに教えたいこと
これは私の話ではなく
友人が
自動車教習所に通った時の
「教習中」での笑い話です。
友人Aちゃんは高校を卒業した後
念願の車の免許を取りに
自動車教習所に通いました。
仮免まで取れたので次は
「路上」での
運転をする事になりました。
教官も厳しそうだし
初めての路上運転は
敷地内での運転とは違うので
とても緊張したそうです。
教習所を出て
しばらくは町中を走ったり
問題なく運転する事が
出来たそうです。
田舎だったので帰る途中
田んぼの近くを横切る事に
なったそうです。
少し細目の道だったので
Aちゃんのハンドルの向きが
不安定になり車が
田んぼの方を向いてしまいました。
そのまま行ってしまうと
車が田んぼに落ちてしまうので
道の真ん中を走るように
教官はAちゃんに言いました。
「わだちの方へ!」
Aちゃんがその言葉を
聞き取れずにいると
教官はもう一度
「わだちの方に〜!」
と言いました。
轍(わだち)
*轍とは車の通った後に残る車輪の跡
道路が摩耗してできるくぼみや溝
の事ですが
Aちゃんは「轍(わだち)」の
意味を知りませんでした。
(わだち・・・って何?)
Aちゃんは分かりませんでしたが
教官に「轍」が何かとは聞けませんでした。
Aちゃんがわからずに運転する間も
教官はしきりに
「わだちの方へ」と誘導しています。
さてプレッシャーの中
運転しながら瞬時に
Aちゃんは考えました。
その教官は東北生まれの方で
ズーズー弁で訛っていたそうです。
なのでAちゃんは
わだち・・・私って事?
私が訛ってわだし?
わだしから「わだち」?
あ、わかったぁ〜
わだち = 私
って事なんだ~。
という風に思ったそうです。
なので
(え〜💦 教官に近づくのやだなー)
と思ったものの
わだちの方へ〜わだちの方へ〜と
連発する教官の方に
ハンドルは真っすぐなまま
体だけをおじさん教官の方に
傾けたそうです。
「こ、こうですか?」
Aちゃんが教官側に体を寄せると
当然 車も左側の方に
寄ってしまいます。
「つがう!(違う)つがう!(違う)
もっと わだちの方にー!」
教官はAちゃんに指示しました。
(ええぇ!!
もっと近寄らないといけないの?)
そう思いながらも
仕方なく教官に言われた通リ
また体を傾けました。
するとまた車が轍から逸れて
田んぼ側に向いてしまいました。
「もっと もっと!」
「こ、こうでいいんですか?」
最後 もうAちゃんの体は教官に
寄りそうくらいな距離になっていました。
車はまた左側を向いてしまいました。
「もっと
もおっ〜と
わだちの方にぃ〜!」
(ええぇーーー もっとぉ!?!)
Aちゃんが「轍」の意味が分かるまで
ずっとこのやり取りで
運転していたとのこと。
想像すると笑えます
(背景お借りしています)