「息子」
普段はだらしがなく
いつも私に怒られてばかりの息子
(長男)だったが変なところに真面目で純粋
なところがあった。
ある時 小学校を休んだ息子の連絡帳が
家に届かない事があった。
学校の先生に連絡するとクラスの男の子に連絡帳を
届けるようお願いをしていてその男の子は
既にポストの中に連絡帳を入れたと言っていたそうだ。
しかし連絡帳はポストの中に入っていなかった為
再度先生に聞いてみると男の子は我が家の階
まで来て表札を確認しそこのポストに入れたと
主張したらしい。
そこで私はピン![]()
ときた。
なぜなら我が家は表札など出しておらずポストも
玄関に置いていないからだ。
念のために管理人に何か落とし物が届いていないかと
聞いてみたがそのようなものは届いてはいなかった。
一応確認の為 別の棟の階にも行き一件一件
見てみたが表札さえ出ていない所も多かった。
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「やっぱりな。。」と思った。
きっと男の子は連絡帳を渡し忘れ
言い出せなかったのではないかと思った。
連絡帳くらい新調すれば終わる話だが
このままではなんとなく気持ちが悪い![]()
。
それに本当に間違って他所のお宅のポストに
入っていたら普通に気持ちが悪いではないか。
翌日 先生にその事を伝えどこに連絡帳を
入れたのか再度確認してもらうようお願いをした。
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その日の夕方に先生は男の子を連れて
息子と共に我が家にやってきた
。
そして先生は
「本人はここに入れたと言っています」
と新聞を入れるスペースのようなところを指さした
。
そのやりとりの最中その男の子が階段の方に
行ったかと思うと突然階段を駆け下りた
。
そして10秒もたたないうちに
「先生、ありました!連絡帳が下にありました!」
と息子の連絡帳を持って駆け上がってきた。
「あぁ、見つかって良かった。ありがとう」
と先生は男の子にさよならの挨拶をして帰らせた。
そして息子にその連絡帳を渡して挨拶をした後
「あ、お母さんだけちょっと」
と私を引き留めた。
先生も私と同じ事を考えていたのだろう。
先生は
「すみません
。このタイミングで連絡帳が
出てきたのは多分本人が持っていたんでしょうね
」
と苦笑し
「そうでしょうね
」
と私も苦笑した。
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部屋に戻ると息子は私に
「なんかさ〜下の階に落ちてたんだって~」
と連絡帳が見つかった事にほっとした顔で言ってきた。
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「んなこと ないだろぉ〜![]()
」
と内心不服だったが
純粋になんの疑いもなく言う息子に
「見つかってよかったね」
と言った。
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事はこれで終わったがふとその男の子の事が気になった。
連絡帳を取り出す姿は確認していないのだから
先生も翌日その子に本当かどうかを問い詰めたり
しなかっただろう。
でもその事で今回「大人を騙せた」ということを
その子は学んでしまったのではなかろうかと思ってしまう。
小学校も高学年になれば自分のやっている事の善し悪しは
わかるはずだ。
その時その男の子がついた嘘は大した事のない小さな嘘だ。
でもこうやってその場しのぎの小さな嘘をつきながら
大きくなっていくのではないかと少々心配になってしまった。
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女の私なら連絡帳が廊下で見つかった時点で
嘘だということはピン
とくる。
同じ女の娘もそういう事はすぐ想像出来るはずだ。
女というものは嘘を見抜くそういう勘が働く生き物だ
。
でも男の子はそれより単純で純粋だ。
物事の裏を見ない。
母として息子のそんな純粋なところが嬉しくもあり![]()
また心配な要因のひとつ
でもあった。
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