ふと息子がこの世に生を受けた時の事を思い出す。

 

 

思い起こせば息子がこの世に現れたのも不思議な感じだった。

 

妊娠などしていないだろうと半分冗談のつもりで試してみた

 

妊娠検査薬でのテスト。

 

まさかのプラス、、、「陽性」だった。

 

クローバー

 

翌日病院に行くと先生から出た言葉は

 

「おめでとうございます」ではなく

 

「赤ちゃんが見えませんね」だった。

 

 

確かにエコーを覗くとそれらしい影は

 

見当たらなかった。

 

 

「陽性反応があるのに赤ちゃんが見えないと

 

いうことは子宮外妊娠の可能性もあります。

 

もし子宮外妊娠だった場合は大出血を起こし

 

母体も危険になりますよ」と先生は言った。

 

「でも多分、、絶対いると思うんです。」

 

と私も必死に抵抗した。

 

 

何も映らないエコーを見ながらもなんとなく

 

そこに命があるような気がしたからだ。

 

 

「わかりました。ではまた2日後に来てください。」

 

先生にそう言われ2日後また病院に行った。

 

クローバー

 

「やっぱり心音がないねぇ。」

 

先生はエコーを見ながらそう言った。

 

 

「もうちょっと、ぎりぎりまで待ってもらえませんか?」

 

私も粘った。

 

「うーん、ではこのシャーペンでツンっと付けたような

 

この小さい点をおまけとして見てあげるから

 

あと2日後に来て。 それでダメな場合はすぐに

 

手術の手配をするからね」

 

と先生は言った。

 

クローバー

 

その2日後にまた病院に向かった。

 

待ち時間がすごく長く感じた。

 

自分の名前が呼ばれて台に上がる。

 

まるで死刑宣告を受けるかのように

 

心臓がバクバク鳴っていた。

 

 

「神様、どうか赤ちゃんがいますように。。」

 

私は祈った。

 

 

すると先生が拍子抜けしたような声で言った。

 

「あれぇ。いるねぇ。ここに心音があるよ」

 

そこには2日前には見えなかったはずの

 

命の音がピコピコキラキラと光っていた。

 

 

「でも結構大きくなっているね。この大きさだと

 

もう○週くらいになるかなぁ。。。」

 

と先生も不思議そうに言っていた。

 

 

その2日で一気に大きくなるとは思えないスピードで

 

息子は突然この世に現れた。

 

あなたは一体いままでどこに隠れていたの?

 

そんな不思議な命の誕生だった。

 

クローバー

 

長女の出産の時に緊急帝王切開となってしまった為

 

長男の時も必然的に安全な方法で

 

同じ帝王切開での出産となった。

 

 

普通赤ちゃんはゆっくりと産道を通ってくるので

 

その間に肺などを鍛えて産まれてくるそうだが

 

帝王切開とは言わばいきなりお腹の中の赤ちゃんを

 

強引に取り出す方法だ。

 

水の中で寝ている赤ちゃんを突然取り出す為に

 

赤ちゃんの方も産まれてくる準備が出来ていない。

 

半分溺れたような状態で出てくるそうだ。

 

その為帝王切開で生まれた赤ちゃんは

 

呼吸と血圧が安定していないので少なくても

 

1日はガラスケースに入れられ注意深く

 

ケアしてもらうことが多い。

 

長女の時も次男の時も例外なくこのガラスケースに

 

入れられていた。 なのに長男だけは同じ帝王切開で

 

産まれながらもなぜかガラスケースに入らなかった。

 

すごく健康で強運の持ち主だなと思った。

 

 

息子は帝王切開で予定より早くに産まれた為に

 

体重は2600グラムで周りの赤ちゃん達に比べると

 

一回りも小さな赤ちゃんだったが

 

3か月検診で再会した赤ちゃん達と並べると

 

すでに息子はその赤ちゃん達を超える大きさまでに

 

成長していた。

 

クローバー

 

小さい頃からずっとぶっちぎりで大きかった息子。

 

それが何かに生き急いでいたかのようにも思えてしまう。

 

 

息子は突然私達の前にパっと現れ

 

突然私達の前からスっといなくなってしまったみたいだ。

 

クローバー

 

息子が亡くなってからある日パパさんが言った。

 

 

「 お父さんは12年限定の天使天使だったのかもしれないね。」と。

 

 

 

 

                                  りんごりんごりんご