今回はお顔も身体もしわくちゃという独特の風貌をもつシャーペイをご紹介します。
中国の広東省原産のシャーペイは紀元前から存在していたとされ、番犬やイノシシ猟などで作業犬として飼われていた他闘犬として活躍していた歴史があります。
最大の特徴であるシワシワな皮膚は厚みがあり、引っ張るとゴムのように伸びます。これが致命的な怪我から身体を守るのに役立ったことから、闘犬競技においても重宝されたようです。
犬種名であるシャーペイは中国語で「砂のようなざらざらした皮」を意味し、サメのようにザラザラした肌と紙やすりのように硬くチクチクする被毛を持っています。
そしてくぼんだ小さな目も攻撃による目へのダメージを回避するのに役立ちました。
闘犬として長らく人気を得ていたシャーペイですが、一時期は絶滅の危機に瀕したことがあります。
1950年代に中国において「犬の飼育は贅沢」とされる思想統制が行われました。これによって多くの犬が処分され、シャーペイもわずか数十頭の闘犬しか残らなかったそうです。残ったシャーペイは中国の思想統制が及ばない香港や台湾などに持ち出され細々と繁殖が続けられました。
1970年代に入り、香港のとあるブリーダーがアメリカの雑誌で依然として絶滅の危機に瀕していたシャーペイを紹介しました。これによってシャーペイが世界中に知れ渡り、繁殖が盛んに行われるようになったそうです。
繁殖によって家庭犬としても飼育されるようになってきたシャーペイ。ほんの5、60年ほど前までは闘犬であったため、その気質を色濃く残している個体が多いようです。気性が荒くて警戒心も強く頑固な性格、躾にはかなりの根気が必要とされます。
絶滅の危機にあった時期シャーペイは血統の近い犬との交配を余儀なくされていたため、遺伝疾患を多く持っている犬種です。
シワが多い皮膚は汚れが溜まりやすいので皮膚病を起こしやすく、くぼんだ目は毛が当たりやすいので眼病を起こしやすくなります。
またシャーペイシンドロームと呼ばれる特有の病気もあります。若年の犬が罹りやすく、後ろ足の関節が腫れる特徴があります。40度以上の高熱が出ることも多いそうです。
シャーペイはしつけが難しい犬種ではありますが、飼い主との信頼関係をしっかり築けば良いパートナーになれます。家族と過ごすことが好きで信頼した家族や仲間にはとても愛情深いと言われています。
しつけや健康管理など充分に注意が必要で飼育には少しハードルが高いシャーペイ。実際に飼育されている頭数も決して多くはありませんが、シワシワで愛嬌たっぷりな外見と大変だからこそ世話のし甲斐があることが愛好家にはたまらないのかもしれませんね。
本日のブログ担当、ペットコンシェルジュ大森でした。