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伝える!伝わる!
■コミュニケーションに悩む子どもが急増
今日もご訪問頂きありがとうございます。
ここにきて、パンデミックを引き起こした新型コロナウイルスの後遺症ともいえる症状が、子どもたちに出始めています。
13世紀、神聖ローマ帝国のフリードリッヒ2世は、子どもは自分の力で言語能力を身に付けると考え、他の言を否定し余計な言葉がはいってこないよう身寄りのない赤ちゃんを集め、侍女に育てさせました。侍女は赤ちゃんに対し、必要い最低限の世話をするのみで、赤ちゃんとの会話、言葉がけは一切禁止されていました。今では考えられないことです。この真意は定かではありませんが、コロナ禍における子どもたちは、まさにこの環境と等しい状況でした。
学校では友人との距離を置くよう指示され、無言の空間が広がる教室になりました。これを足掛け3年ほど経験してきた伸び盛りの子どもたちは、今になり友人や人とのコミュニケーションに悩み始めています。コミュニケーションの代表格は会話です。その会話を制限され、また、マスク越しの顔からは表情の読み取りも難しく、これが、人とのコミュニケーションをより難しくしました。
互いの会話から得られる言葉の使い方、新たな言葉の吸収、言葉や声の高低、質から感じ取る感情の理解は、子どもたちにとっては教科学習以外の生きた学習になっていました。自分の感情を表す言葉を知らない、まさに、イヤイヤ期に入った幼児と同じ現象が今子どもたちに起きています。些細なことで怒鳴ったり、イライラしたり、これこそ、自分の感情表現を上手にできない子どもの現状ではないでしょうか。
「言葉」は、自身の感情を伝える大切な道具です。その道具を失い、または、上手にできない状態は、物事を短絡的に捉え、同時に行動も同じく短絡的になります。今、家庭でできる対処法は、家庭力としての家族団らんです。食事と会話から生まれるリラックスした家族の居場所を大切にされて下さい。
会話は一方的にならず、また、会話を無理やり引き出すのではなく、時には、親から些細なことで子どもに相談を持ち掛けるのも一つです。子どもでも解決できそうなことを。スマホの扱い方などでも良いでしょう。そこから、言葉の持つ力である「伝える」と「伝わる」の繰り返しによる会話が成立します。子どもとの会話で、普段知ることのできない子どもの成長に気付くかもしれません。周囲の情報を遮断する。そんなことも必要になりますね!すると、子どもの方から、悩みごとを言い始めることもあります。その時は、無理やり答えを出すのではなく、子どもにどうしたいかを言って貰うようにします。
こうした、自分の想いを「言語化」する機会を多くする、教育現場でも今の子どもたちの現状を理解し、想いを言葉に表す指導も必要になってきています。