子どもの成長と学習 | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

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教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

 

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子どもの世界観

■子どもの心を形成する成長過程

 今日もご訪問頂き有難うございます。

 

 乳幼児の成長期は、一生の内で一番学習する時期ではないかと思うほど、毎日の生活の中に学習があります。それまで、無重量の状態にいた環境から、重力を感じる環境に変化し、さらに光と音と、臭いと感覚に満ちた環境に対して、生きるための学習が始まります。

 

 その知的発達の第一段階が0歳から2歳頃の「感覚運動期」です。この時期の特徴は「循環反応」と「対象の永続性」です。循環反応とは、物をたたいたり、投げたり、物を口に入れたり、五感をフル動員して、様々な感覚を学習していきます。赤ちゃんが、ティッシュボックスのティッシュを全部引っ張り出してしまうのは、その時の感触が面白かったので何度も行っていると考えられます。

 

 また「対象の永続性」は、物を見ることがなくても、物が存在し続けることを理解することで、あり場所におもちゃを隠すと、玩具が見えなくてもそこでおもちゃを探します。こうした知恵が1年足らずのうちに備わってきます。この能力が備わるからできる遊びが、皆さんよくご存じの「いないいないばぁ」です。

 

 そして、この時期は模倣行動が多くなる時期で、手の運動と発声の模倣期・顔の模倣期・延滞模倣期と続き、まさに「まねる」から「まなぶ」という、学習の道を通り始めます。感覚運動期が終わりかけるころ、次の成長期である「前操作期」が始まります。丁度子どもが話し始める2歳ころから7歳頃までの時期です。

 

 この時期の子どもの世界観はとても特徴的で、「実念論」と言って、自分のものの見え方が絶対的だと思い込む特徴があります。更に、「アニミズム」、一般的には似たような意味で「汎心性」と呼ばれる葉っぱや石ころにも、人と同じ心があるという想いがあります。また、「人工論」という、自然の物も人が作ったと思い込む特徴があります。この時期の子どもたちは、次第に様々な刺激に影響され、先ほどの模倣期から、仮面ライダーなどの模倣が活発になります。

 

 また、この時期の特徴として、強い思い込みや自己中心的な考え方が目立つようになります。多くの親御さんが苦しむ「イヤイヤ期」もこの時期になります。お気づきの通り「イヤイヤ期」も、子どもの成長の証です。絵を描き始めるのもこの時期です。特に2歳から4歳は「象徴的思考期」と呼ばれ、様々な特徴的なことやイメージを頭の中に創り上げ、後から絵に表したりします。

 

 こうして、子どもの成長発達には、ここに書ききれないほどの様々な成長の過程があり、知らずに見落としていたりして通り過ぎている場合もあります。「いないいないばぁ」や「イヤイヤ期」も、子どもの成長の証であり、その裏にある、成長の事実に驚かされます。子供の成長には、意外に意味のある行動が多いこと、自分自身もその道をたどってきたんだと思うと、改めて親に感謝ですね。