「算数解法の極意」言葉と操作と思考 | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

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教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

 

 TODAY'S
 
イメージ力

■絵題や文章問題を中心にイメージ作り!

 今日もご訪問頂き有難うございます。

 

 さて、ゴールデンウイークも明日を残すのみとなりました。車で移動された方は、今日明日は休息日でしょうか。どうしたことか、我が家は、全員が風邪気味で、私が、そのスタートと、アンカーを務めています。ゴールデンウイーク、一番の友はベッドでした。よくこれだけ眠れるな思うほど、大型連休という言葉に気が緩んだのかもしれません。

 

 このゴールデンウイークを過ぎると、小中の1年生は本格的な学習が開始されていきます。特に、小学1年生は、親子でしっかりと勉強体制に入っていないと直ぐに、学習に追いつけなくなります。学習内容が増え始めている教育要領の改訂で、「まだ大丈夫!」は禁句になりました。逆に「今なら大丈夫!」というのが定説になる、それがこの時期です。

 

 この時期の小学1年生の子どもたちに、一番好きな教科は何?と聞くと、その大多数が算数と答えます。これが、数年後一番嫌いな教科になってしまいます。解る、出来るというのが、学習には最高のスパイスなのが理解でいます。

 

 算数学習は、先生も含め親や大人の指導力に大きく左右されます。そして、大人的指導が子どもの算数に対するイメージを作り上げていきます。大人は、算数イコール計算というイメージを持っています。計算さえできれば良いと、幼いころから「とりあえず公文」とばかりに、教室に通わせます。こうして、算数という学習のイメージが出来上がり、疎かになっていく文章問題や図形、割合や単位換算などの学習で躓いていきます。そして、慌てて塾に通い始めます。

 

 足し算でも、引き算でも、その問題の基となる考え方のイメージがとても大切になります。このイメージこそ、その学習で学ぶ概念に繋がります。二つの器にあるものを合わせる「合併」、今ある所に加える「添加」、今ある量よりさらに増える「増加」足し算の概念にはこの3つのイメージが必要になります。これを数式で書くとどれも同じ式になります。式は、今、申し上げた概念を抽象的な記号と数字で表記したもので、その為、それぞれの数字の意味、記号から想像するイメージが大切になります。何故なら、それが思考に繋がるからです。

 

 引き算になるともっとイメージが重要になります。「9ー5」という式からそれぞれ違うイメージを持つ文章問題を作成してみて下さい。これは、小学校の先生中で文系卒業の先生対象に行った研修の時に行った指導の一つです。実際に、文章問題を作ってみて気づいた!という先生が意外に多かったことを思い出します。残りを求める「求算」、男女の数の違いなど差を求める「求差」、後幾つで9になるという「求補」、どちらがどれだけ多いかを求める「求大」など、引き算は足し算以上にイメージが大切です。

 この理解のため、算数であっても言葉の理解という指導、そして、数字の操作ではなく、実際に具体物を使ったり、積み木や、タイルを使い、量の変化、違いなどを操作し、その変化をイメージしていく学習が重要になって行きます。これを、絵題や文章問題を通じ、絵に表したり、タイルに置き換えてみたりしながら、問題の性質を捉えていきます。この時期の計算問題は、単なる機械的訓練で、思考的訓練や学習にはなりにくいものです。それでも、一つ一つタイルなどを使い、数字の操作以外に、量の変化を目で確認し、それを手を使い感覚的に体に体感させる学習を加えるだけでも、大きな学びとなります。

 

 算数学習では、小学1年生のこの時期から、言葉の理解とイメージ作り、そして、イメージと共に巡らす思考で算数能力の基礎がつくられます。思考のまとめで、問題解法の手順などを説明してもらうことで、より理解が定着します。これから本格的に始まる算数学習「まだ大丈夫!」ではなく、「今からなら大丈夫!」と考えてくださいね!!