学力差とスタートライン | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

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教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

 

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「差」の始まり

■小学校教育がスタートラインではない!

 今日もご訪問頂き有難うございます。

 

 誕生日の昨日は、多くの方から様々なSNSを通じ、お祝いをして頂きました。感謝です!そんな中、電話が入り、読売テレビの「ミヤネ屋」のディレクターから取材の電話が入りました。卒業と入学、新年度スタートと教育に関する話題は絶えません。

 

 私の誕生日は3月27日、長男は4月1日、どちらも早生まれで、私たちが生まれたときには同学年の子は、既に歩き始めています。既に能力差は歴然で、今の教育制度ではこの月例の差を埋めることはできません。小学校入学時で学力差が生じるのも、この時期の月例差は学力に大きく影響します。

 

 それでも、学校というシステムでは、同じ空間で、同じ環境を整え、まるで規格品の小学生を生産する工場の様に学習が行われていきます。どこかあたり前のように見える光景でも、やはり月例差で無理を強いられる子どもたちはたまりません。

 

 ただ、いつの間にか、その差が縮まることがあります。それが、子ども一人ひとりで違う学習のスタートラインです。ただし、この学習、いわゆる四角四面の教室で教え込まれる教育ではなく、様々な体験や経験、そして、親から授かる「言葉」、そして遊びの充実で大きく変わります。

 

 親が子どもに授けられるもの、その第一番目が自分自身の生命です。二番目に親の愛情「無償の愛」です。そして、これから生きていく上で大切な「言葉」です。

 

 言葉の獲得、学習は誕生後から活発さを増し、親も,我が子の要求に応えるように、沢山の言葉を投げかけ、本の読み聞かせなどを行います。子どもの脳の成長発達は、この過程で大きな差が生じてきます。学習のスタートラインの違いは、ここから始まります。月例差と、言葉の獲得の時期が、それぞれ遅れていくと、小学校入学時の語彙数が1000語単位で変わります。

 

 小学1年生の平均語彙数が3000語前後ですから、これはかなりの数になります。子どもが生まれてから、言語環境が充実し、そこに、室内戸外問わず多くの経験値を持つ子は、小学3年生の頃から学習成績が安定し、成績も向上していきます。大器晩成型の子は、こうした背景があります。

 

 学習のスタートは小学校入学ではなく、その手前から始まっています。遊びも学びの一つですので、これらを含め学習のスタートラインと称しています。そして、この時期は、遊びと運動は表裏一体で、更に、食事面も重要になります。外食の多いご家庭では、子どもの栄養に偏りが見られ、身体だけでなく、脳にとって必要な栄養素の不足も見られる場合があります。

 

 子どもの学力差は、複合的に様々な要素が加わり、ひとり一人に違いが見られます。また、学習法も大きな要因となります。学習能力はその学習時間以上にその質が問われます。何を中心に学習内容を組み立てるか、そこには、教育の専門性が必要になるでしょう。

 

 学校の授業は、その性質上、中間層の学力に焦点を当てた授業がされ、その両端にいる能力の高い子、逆に能力の低い子はその学習対象ではなくなります。それを個別に見ると、学習の公平性が保てないとクレームが入ります。まさに「不適切にもほどがある」のドラマそのものです。その為、解説策は各家庭に委ねられることになります。

 

 今後は、学習支援など、子育て支援も含め、多くの団体が子供や、子育てに苦しむご家庭に手を差し伸べるはずです。その前に、我が子のことです。家庭内の言語環境や学習環境を極力整えてあげること、我が子に関心を持つことが望まれます。