遊びを知らない子どもたち! | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

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教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

 

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学ぶ子どもたち

■屋外の集団遊びより屋内の個人遊びへ

 今日もご訪問頂きありがとうございます。

 

 子どもにとって遊びは大切だ!とよく言われます。時には勉強より遊びが大切とも。幼児期や低学年はまだ遊びが大切で、勉強はその後から行えばいいと。皆さんはどうお考えですか。

 

 では、”遊び”というと、どんな遊びを連想されるでしょうか。そして、今の時代の遊びとは何でしょうか。子どもの遊びが大きく変化してきたのは、今から44年前、任天堂から発売された「ゲーム&ウオッチ」からです。手軽に持ち運びができ、手元でゲームが出来たので、子どもたちの間で瞬く間に広まっていきました。

 

 そして、それから3年後、あのファミコンが発売されました。この頃から、子どもたちの遊びは屋外から屋内へと変わり、集団遊びから一人遊びへと大きく変化しました。これを境に、大人の遊びに対する感覚も見方も変化してきました。今では、遊びというと、ほとんどがコンピュータゲーム、そして、スマホゲームに加え、TikTokやYoutubeなどの視聴になり、室内遊びが中心になりました。

 

 今は、幼稚園や保育園の戸外遊びは、子どもたちにとって、とても貴重な身体を使った遊びになっています。また、戸外遊びの減少で、子どもたちに規律やルールを学べる機会が少なくなっているのはとても気がかりです。小集団による戸外遊びには遊びを円滑にするため、子どもたち同士で決めたルールがあります。子どもたちは遊びを通し、規律やルールを守ることを学んでいきます。一人遊びを否定するものではありませんが、戸外での遊びが、子どもたちにとって、ルールを守るなどの社会性を高める場であり、心身を鍛える場でもありました。

 

 子どもが学ぶ環境の変化は、年々悪化しています。うるさい、危険など否定的な大人の言葉で、子どもたちの遊び場が少なくなているのは、とても悲しいことです。遊びと学習のバランスが崩れ始めているように感じます。今、取り組んでいる学習支援の中に、学生時代、友人と行った「校庭解放」が頭を過りました。幾つかの学校で遊び場として校庭を開放している学校もあります。広場が少ないのなら、学校の校庭がある。子どもたちにもデジタルデトックスが必要なのではないでしょうか。

 

 「よく遊ぶ子は、良く学ぶ」昔から見られる子どもたちの遊びは、スポーツバイオメカニックの面からも、走る・跳ぶ・投げる・打つ・捕る・蹴る・組む・バランス感覚・運動リズムなどすべてが入っています。そこに空間認知能力の向上も加わります。遊びに関わる運動は、血流もよくなり、脳にも良い影響を与えます。

 

 学習の重要性については、今更申し上げる必要はありませんが、視覚、聴覚からの情報で認識する言葉、線や形などの認知系にも臨界期という重要な時期もあり、遊びと学習どちらが大切という考え方ではなくどちらも重要と捉えた取り組みが必要です。