勉強ができない、頭が悪いは病気じゃない!! | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

「衣食住育学」石川幸夫のブログ

教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

 

 TODAY'S
 
質・量・繰り返し…

■この時期に多い、学力不振に悩む親子

※中学生の教え子が書いてくれたイラストです!!

 

 今日もご訪問頂きありがとうございます。

 

 2月にも終わりに近づく頃、お子さんや生徒さんの学習についてのご相談が急増します。学年末を控え、この成績で大丈夫だろうか、引き算ができない、掛け算九九が3年生になるのに覚えられない。問題の意味が理解できないなどなど、学習について多くの悩みがあるようです。教科書を読ませると、何を言っているのかわからない読み方になる、という深刻な悩みもあります。

 

 子どもや親御さんを見ていると、成績が良くないことが、まるで病気のような表現をしている方が目立ちます。落ち着きがない、集中できない、思考力がない、こうした判断を周囲が軽々しく口にしていると、その言葉が子どもの脳で繰り返され、自己暗示にとなり、学習から遠ざかる子がいます。

 

 また、余りにも丁寧すぎる学習指導が、子どもの「思考依存」を増大させ、自立した思考を低下させることがあります。「丁寧な指導」をうたい文句にする学習機関は多いのですが、この指導を観察し分析していくと、分かり易く説明すればするほど、最後に「わかった?」という決まり文句が出てきます。この「わかった」という言葉、3回ほど繰り返される、それはまるで脅迫されたように「わかりました」と答えなければならない場面を作り上げてしまいます。

 

 小中高、どの学年でも、驚くことに、成績が上がらない最大の原因は、「自分はできない!」という自己暗示による思い込みです。成績は最悪でも、意外と言っては失礼ですが、頭の回転の速い子は思う以上に多いものです。そして、ほとんどの子供たちが小学3年生までの基礎学習で躓いていることも特徴的です。

 

 一念発起して、頑張るのですが、三日坊主どころか、次の日にはもう向学心という意識は停滞しているのが現状ではないでしょうか。一念発起して机に向かったときが、実は、意識として最高潮の時で、後は下がるのみなのは自然の流れでしょう。意識の持続は、頑張りすぎ、やりすぎが最も最悪で、「これだけ頑張ったのに」と、へこむ原因の一つにもなります。

 

 まずは、子どもの意識を変えてあげることです。否定的な言葉は避けてください。前向きな言葉が子どもを変えます。学習時間は短くて大丈夫です。学力不振にあえぐ子どもに、長時間の学習は脳に対する負担が大きくなり、より学習を拒否する脳になってしまいます。「あともう少しで終わるのに!」と余韻を残して終わるくらいの時間、ほぼ15分以内で終えるようにします。その繰り返しが蓄積し「量」となって行きます。

 

 学習の質は、聴く力、見る力、書く力、読む力、話す力の五技能を中心に考え、これに沿った学習を行います。闇雲に学習するより、目標が立てやすいのです。また、どれも短時間で行うことが出来るものが多く、それを組み合わせれば、集中して取り組む環境が出来上がります。以前にも申し上げたように、書写、聴写、素読、音読、の「二写二読学習」は、最も効果の期待できる学習です。

 

 まずは1週間、続けてみましょう。書き写すだけの書写ですが、その文字数が増えるはずです。音読も同じ時間で読む行数が増えてくるはずです。その時、自分自身に何が起こったのか分析するように促してください。それを言葉で表すことが大切です。人の評価と共に、自分を評価してあげること、やった努力の分、同じ努力が結果として残っているはずです。「もっと、自分に自信を持つべきだ!」、たとえ1文字でも増えたら、私なら、子どもに、そう言うと思います!