園の違いが能力の差に
■小学校入学で分かる園の指導
今日もご訪問頂きありがとうございます。
子供の学力を上げるには、幼児期からの言語環境を整えることが一番であることを昨日お伝えしました。一般的に、幼稚園、保育園、認定こども園などで行っている内容に大きな違いがあることを知らない方が多いようです。あまり多く報道されていませんが、「子供を預ける場所」という認識と、「子供に教育的指導をしてくれる場所」という、親の認識の違いがあります。
ご存じだと思いますが、幼稚園は「幼児を保育し、適当な環境を与えてその心身の発達を助長すること」、保育所(園)は「日々保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児又は幼児を保育すること→保育所入所基準」で、幼稚園は「満3才から小学校就学の始期に達するまでの幼児」、保育所(園)は「保育に欠ける乳児(1才未満)と幼児(1才から小学校就学の始期に達するまで)」となっています。管轄も、幼稚園の文科省に対し、保育園では厚労省となっています。
今は、保護者の要望から、かなり、保育・教育内容や対象年齢にも違いがみられなくなってきていますが、その教育内容の差は、思っている以上にあります。幼児教室の講師から、保育園に移った先生は、幼児教室での経験を活かし、言葉がけや、絵本の読み聞かせなどを行うと「余計なことはするな!」と、指示を受けたそうです。おむつ替えも、決まった時間に、食事も時間内にという機械的な保育が行われていたと嘆きます。
一方、同じ保育園でも、朝から、先生方の笑顔でのお迎え、言葉がけから始まり、体育ローテーションと言われる、走る・跳ぶ・投げる・回る・蹴る・平衡感覚・リズムを取り入れ、日課活動として、文字、数、音感教育、発声練習などを取り入れた総合幼児教育を行っている園もあります。
このような園は、課外活動で保育時間外に行うのではなく、日々の指導に、言語指導を中心に、数指導などを取り入れ、先生方がその指導法を学んでいます。その内容は、幼児教室以上の質を持ち、そこに、音楽や運動、そして、躾面での指導なども行っています。中には、こうした指導に加え、食育も行っている園もあります。それも保育園で。
こうして、我が子を預ける園の選択で、子供の知的財産である語彙数を獲得する環境にかなり大きな差が生じています。特に、公立の園に幼児教育の無関心なところが目立ち、無駄とは言わないまでも、面倒のかかることを避ける傾向にあります。
3歳から急激に語彙数を増やす時期ですが、園の選択次第で、その語彙数に大きな差が生じているのは確かです。北陸のある小学校では、新一年生を見ていると、園の違いがはっきり出ていることに気づき、その園を校長や各学年主任などと見学に行ったところ、その指導内容に驚いたそうです。先ほどの体育ローテーションから始まる幼児教育を実践されている園です。
語彙数の高い子は、先生の話も聞くことが出来る。知性と人間力向上は、バランスが大切で、幼児期は人間形成の土台であることから、認知・非認知能力両面の指導が大切であることを実感したと、先の校長は感想を述べています。少子化になり、園も今まで以上に園児募集に窮する時代を迎えています。これからは、親として、我が子を預ける園から、我が子を総合的に導いてくれる園の選択が求められてきますね。