子供の脳に必要な「言葉」という栄養 | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

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教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

 

 TODAY'S
 
どれだけ必要言葉の数

■まずは、興味・関心から

 今日もご訪問頂きありがとうございます。

 

 今定期的に行っている「子育てHOT LIVE」来年は、中野、渋谷に加え、新たに練馬で開催が予定されています。お笑い芸人さんが参加してくれるこのLIVE、幾つかの、子育て、教育面からのアプローチが行われています。科学工作・サイエンスクッキングとう中に、お笑い芸人さんだからできることが沢山あるのです。その一つが、子供が話しやすい環境を作ってくれることと、芸人さんが子供の話の聞き役になれることです。そして、子供たちに対し、教育的で適切な対応が行われていきます。普段の学校の授業では見ることのできない子供の姿があるからです。

 

 こうしたイベント行うと、言葉の有難さと重要性を感じます。一概に言葉と言っても、ご存じのようにいくつもの種類があります。最近では、一つの言葉で様々な表現をする場合が多いので、会話ではその意味を理解できても、Lineやメールでは、誤解を与えてしまうことがよくあります。この傾向は、言葉による表現の幅を狭くし、単純な良い、悪いの判断になりかねません。何かにつけ、イエス・ノーの選択が多いのもこの傾向からかもしれません。

 

 脳の成長に言葉の獲得は重要です。ただ、その言葉を精査する必要が出てきました。それだけ、私たちが日常使う言葉が減少してきていると感じるからです。それは、子供たちを見ていると感じます。話しやすい環境に置かれた子供との会話で、知っていて当然と思われる言葉を知らない子供が増えているのです。

 

 まず重要な言葉は、理解しやすい名詞と、動きを表現する言葉である動詞があげられます。3歳頃までに、名詞では90~120語、動詞では140~170語ほどになります。例えば、「走る」という動詞を覚えると、「ゆっくり走る」「速く走る」「矢のように走る」など、「走る」をより詳しく飾る言葉、表現できる副詞などが加わってきます。こうして、一つの言葉が他の言葉を引き寄せていきます。

 

 覚えた言葉は積極的に使う、子供は、だからお母さんや、お父さんと話したがっているのです。自分が話せることを競ってもらいたいのです。そして、聴いてもらいたいのです。すると、その会話から新しい言葉を吸収し、理解できるようになると、絵本に興味、関心を示します。つまり、文字に興味を持つのです。

 

 鳴き声からクーイングという「あー」「うー」などに変わる2か月ごろ、そして喃語「まーまー」「あぶあぶ」などに変わる5~6か月頃ころには、岡ちゃんとのコミュニケーションが重要で、「オノマトペ」と言われる、擬音語、擬態語、擬声語(てくてく・わんわん・にゃーにゃーなど)を使い言葉遊びをお勧めします。

 

 こうして、親から伝えられる言葉、絵本などの読み聞かせから得られる言葉、これら語彙数の獲得は、名詞、動詞、形容詞、副詞、接続詞、助詞などに及び、会話などの経験が浅い子は、助詞や接続詞に触れることが少ないので、その後の表現力に影響します。語彙数は、思考力、表現力、判断力、コミュニケーション能力、学業成績に比例します。そして、それらは、集中力にも直結します。

 

 小学1年生の平均語彙数が3000語と言われ、下位の子供は2000語ほどです。たかが1000語と思われがちですが、上位の子の語彙数は、なんと7000語もあります。語彙数で7倍の開きがあり、この差が幼児期の過ごし方であることがわかっています。6年間の積み重ねの大きさは、その後益々拡大していきます。

 

 親子間で失われつつある会話、遠ざかる本、読書時間の激減、いまの生活・社会環境は、子供の脳に栄養価のない刺激を与えているのかもしれません。もっと積極的に言葉という栄養素を吸収することを考える時期ですね。