ペンケース(筆箱)を見るとわかる、できる子/できない子 | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

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教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

 

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■できる子の筆箱(ペンケース)は実にシンプル

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 40年以上も、様々な子どもたちと接してくると、子どもの持ち物や、ノートを見ただけで、その子の能力がある程度判断できます。思考や能力は、どこかで形になって表れるからです。

 

 高学年になる頃から、筆箱からペンケースへと移行する児童が増えてきます。理由は、ちょっと高学年ぽいところと、それまでの筆箱に収まらないほど筆記具などが増えてくるからです。定規もお気に入りのタイプが出てきます。

 

 教育研究所として、併設しているラボスクールに通ってくる子どもたちの持ち物にも、教育的な興味関心を持ってしまいます。その中でも、筆箱は、優秀な子ほど、その内容がシンプルに纏められていることに気付かされます。

 

 授業中、一定時間の集中ができない子、落ち着きのない子、思考力の低い子の筆箱ほど、多くの筆記具と消しゴムの破片などでいっぱいです。毎回、その中から今日使う筆記具を探す子もいます。また、筆記具も高学年頃まで鉛筆で通した子に、成績優秀者が多く、学力が低迷している子ほど、シャーペンを使用しています。それも、気がつくと新しい物に変わっていて、その都度、ペンケースが膨らんでいきます。最悪なケースは、②つのペンケースを出す生徒もいました。

 

 心の安定、一定時間維持できる集中力、一つの事を深く考えることのできる思考力、これらを持ち合わせていない子は、シャーペン派が多く、直ぐに分解を始めます。対して、機械的構造などない鉛筆は、正に、集中出来る学習アイテムの最上位にあるようです。芯が出ず、分解して修理するなど無駄な時間と言い切る強者もいます。

 

 目指す国立大学に進んだ生徒など、中学3年生まで、小中学生時代、筆箱(実にシンプルな物)で通しました。中身は、鉛筆3本、消しゴム、15cm定規で、必要に応じてコンパスを入れる程度でした。

 

 こうした経験から、筆箱の中身をシンプルにする指導を行いましたが、学習の成果を求めるより、筆記具の機能面に関心が高く、何か魔法でもかかったように、新しいシャーペンを使い、字を書くと、どこか上手に書けているような錯覚と、勉強ができるようになった感覚になるようです。実際は、ほぼほぼ変化無しでした。ただ、シンプルに纏めた子の成績は向上していきました。それは、筆箱の中身のシンプルさと、学習環境(家庭内)の整理整頓にも指導が及んでいたからです。学習する身の回りのシンプルさは、気が散る雰囲気を一掃し、学習に集中出来るからです。

 

 学習には、鉛筆が良いか、シャーペンが良いかの論争ではなく、もっと深いところに、その効果が隠されていました。