「わかってる!」は、わかってないと同意語? | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

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教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

 

 TODAY'S
 
「独り言」

🔳言葉の意味が反対になる国

 今日もご訪問頂きありがとうございます。

 久しぶりの「独り言」です。文体が少し変わります。

 

 「このラーメンやばい!」初めて聴いたとき、「エッ、そんなにまずいの?」と思ったが、「かなり美味しい!」という意味と分かり、「何なんだ?」とその当時のおやじは思ったものだ。

 

 そんな中、よく聞く言葉に「わかってます!」がある。「お忙しいでしょうから、一日5分でも良いのでお子さんとの時間を作って下さい。」と申し上げると、「そんなこと、わかっています!」とけんもほろろ。ところが、子どもに聞いてみると、相変わらず「忙しい、忙しい」を連発していて、子どもの方に向いていないようだ。それにもめげず、また、「少しでもいいからお子さんと向き合う時間を作って下さい。」すると、「わかりました!」となるのですが、…。こうした会話を何度も経験すると、いくら鈍い私でも「わかりました」は、「わかりまぜん!」という意味であることを理解する。

 

 「うちの子、私のいう事なんか聞いてくれないんですよ!先生からも勉強するように言ってやってください!」そして、私から、「お子さんの話を聴いてあげていますか?」と聴くと、「うちの子は、人の話なんて聞けませんから!」、と返ってきます。どうやら、ひちょの話を聴けないのは保護者のようだ。

 

 どうも、親とは自分勝手な解釈をする者らしい。ことあれば「忙しい」と仰る。なるほど「忙しい」という文字の通り、「忙しい」とは心を亡くすと書く。心亡き親に育てられた子は、一様に寂しがり屋で、色々な話をしてくる。他愛のない話なのだが、ずっと聞いてあげると、まるでサウナ上がりのようなさっぱりとした顔をして帰っていく。このような子を数多く見てきた。

 

 教室部門を閉鎖したい今、これまで指導してきた子どもたちや、親御さんの顔が思い浮かぶ。私は、保護者にも生徒と同様、厳しく接してきた。「ならぬものはならぬ」会津藩士を先祖に持つ私、会津の「什の掟」を教育の場でも貫いている。そう感じたのはつい最近のことだ。それほど、親にも子にもインパクトのある教師だったようだ。

 

 親や大人として、耳が痛くなる話だが、どうも話を聴くことができないのは大人たちのようだ。最近では、「お子さんのスマホはもう少し待って下さい。高校受験が迫ってますから。」、ここでも「わかりました!」との返事を頂いた。その後もスマホ使用の弊害について散々お話をしたが…。

 「いくら言っても聞かなくて!」と、受験を前に買い与えてしまった。暫くすると、「先生、スマホばかりいじってないで、勉強するように言ってください!」ときた。先生とは忍耐力のいる仕事だとつくづく思う。どうも人の話を聴くことができない人が増えてきた。こうして、私は、だいぶ鍛えられてきた。

 

 人の言うことはそのまま受け取ることはできない時代になった。言葉も同様に、その反対の意味を考えなければならない。どうにもこうにも、ややこしい国になったものだ。