子どもからの警鐘 | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

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教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

 

 TODAY'S
 
子どもの読解力と思考力

■ユニークな発想ではなく、読解力がないだけかも?

(テーマと写真は関係ありません。)

 

 今日もご訪問頂きありがとうございます。

 今朝、玄関の掃除をしていると、近所の方から「おはようございます!」と挨拶され、私も、気持ちよく「おはようございます!」と応えると、「毎朝そうお掃除されているんですね。」と、何だか照れてしまいますが、朝の挨拶はとても清々しいものですね。毎朝、掃除、挨拶、笑顔、感謝、これだけで一日の素敵なスタートが切れますね。

 

 最近、子どもの珍解答を見ることが多くなりました。一見すると、とてもユニークな解答で、思わず笑ってしまうこともあるのですが、子どもを指導する立場としては、そのユニークと思われる誤答を分析しなければなりません。実は、先生という立場で大切なことがここにあります。採点をする場合、その答えが正しいか否かをまず見るのですが、誤答の場合、何故、このような答えになったのかを分析するのが大切な採点の役目なのです。

 

 幼児でも、小学生でも、教材を使用し、場合によってはプリントを使用することもあります。小学校では、先生は当たり前のように、生徒にプリント(テスト用紙なども)を配り、そこに解答を書き込んでもらいます。何気ない、一枚のプリントですが、国語と算数では、そのプリントを見る視点が全く違います。書式が違うのです。これはあ、教科書にも当てはまります。横書き、縦書きで、目の動きは全く違います。まず、こうした書式に慣れていない子は、プリントの見方が解らず、戸惑うことが多いのです。幼児や低学年にとって、こうした書式の違いは、学習に大きな影響を与えます。

 

 問題の書式に慣れていないと、その問題を解くことすらできません。だから、自分の判断で解答を導き出すのですが、これが、大人からはユニークと映るのです。正直、笑ってはいられません。これに気付く先生は、子どもの状態をよく把握されている方でしょう。また、ユニークな答えには、読解力が不足している場合と、問題文を読まない、読めないという場合があり、更には問題そのものを理解できないこと等、子どもにとって深刻な状態であることを示す場合も多いのです。

 

 教育界では、今、これまでに経験していない状況に置かれています。それが、文科省の進めるGIGA構想で、子どもたちひとり一人に電子端末(ノートパソコン・タブレットPC)が渡され、これまでとは違うデジタル教科書の出現や、指導、学習が進められています。ご存じのように、我が国の行政は全体的にICT化が諸外国に比べ遅れており、今回の誤振込でも、若い世代では見たこともないと言われるFD(フロッピーディスク)が使われていたようです。それでも電子処理だからという見方もありますが…。我が国より早く、デジタル教科書などを導入している諸外国では、その運用に待ったをかける国が相次ぎ、「デジタルスクリーン」による子どもたちの弊害が問題視され始めています。つまり、急に普及した、スマホなどのデジタル機器の子どもたちに対する影響は、ようやく調査研究が始まり、言いにくいことですが、子どもたちがその実験台にされているような気がしてなりません。それが、発達障害の発生を加速させているとしたら、これは、大変なことになります。

 

 幼児期、そして小学校低学年の指導は、「人としての成長」を考えると、子どもたちの、脳の発達を支え、促す指導が求められ、それ自体、五感教育と言われるように、よりアナログ的な指導が効果を上げるのだと思います。これと、並行して、将来的にコンピュータ、スマホは生活や社会にとって必要な機器になるので、幼児期からしっかりした使用方法などの学習をしてあげることで、スマホ依存・ゲーム依存などを未然に防げると思います。

 

 OECD(経済協力開発機構:西側の経済協力機構)の行うPISA学習到達度調査では、科学、数学的リテラシー、読解力全てが2018年は低下しています。特に、読解力は低く、それまで上位を占めていたとは思えない成績です。こうした、分析は、教育に、それも民間教育がいち早く軌道修正を行えます。そして、それは、幼児教育の在り方にも影響を与えます。読解力を分析すると、その中には「先を読む」があります。教育が先を読めなければ、子どもの未来など語れません。話を元に戻せば、子どものユニークな解答は、実は私たちにとって、子どもたちから発せられる警鐘の一つなのです。「とても、ユニークな解答ですね!」と感心したり、笑ったりできないのです。