約一名が私のいる三畳間の近くで、さっきから何やらボソボソと呟いている。
ん?ときおり次姉の名前が出てくる。
だから、私はてっきり電話の子機を手にした約一名が、どういう理由かは分かりませんが、その状態でたまたま三畳間の近くをうろつきながら、次姉と電話会談でもしているのかなと。
ところが、そのボソボソがなかなか止まないので、なんか気持ち悪いなあと思って三畳間の引き戸をガラガラッと開けると、三畳間の近く(真ん前ではない)から私にずーっと話しかけていたというから驚いてしまった。
そのボソボソ声、本当にしっかりと耳を凝らさない限りは先ず誰にも聞こえないだろうレベルの小ささで、本当に大袈裟でも誇張でもなくて蚊の鳴くようなか細い声で、その意味が分からない。
普段、居間で約一名が電話で話しているときは、私が同じ三畳間にいても会話の一字一句が聞き取れるくらい大きな声で話している人が、なんで蚊の鳴く声に?
また、次姉の名前が随所で聞こえた理由は、単純に私を呼んでいるつもりが次姉の名前だったというオチで、それはまあいつも事だから納得するけれども、この蚊の鳴くようなか細いで私に呼びかけていた意味が訊いても分からなかった。
でもやっぱり、これもまたトンデモ耳が遠いことの弊害⁉かと思われるものの、自分が喋る声もうまく聞き取れない人は、普通ならば寧ろ大声になる傾向じゃないのかなぁ?
あんなボソボソの、ひそひそ声で誰かに話しかけて、それが相手に伝わると信じて話しているのかと思うと、その感覚を理解することは難しい。
それか、ボソボソひそひそと喋っている感覚それ自体がないのかも知れない。
いや、でもやっぱり変ですよね。
あんなにボソボソひそひそな喋りでは、自分自身で何を喋っているのかを物理的にモニターできるはずはないので。
聞く力…といっても岸田総理の言うソレじゃなくて、やっぱり聞く能力って大事なんだな~としみじみ感じますよ。
耳が遠い問題、改めて根が深いなと。
いやはや、いろいろ難しいお婆さんだ。