東京のアパート暮らしで私が猫と一緒に過ごした時間は25年近くに及んだ。
やがて最後の猫のアリストテレスが亡くなり、それでも地域猫…という呼び方は個人的には馴染まないが、便宜上でそう呼ばせてもらうブチ三毛や白黒の存在があったから、猫にまつわるお金はずっと一貫して絶えることがなかった。
しかし、やがて私が引っ越しを余儀なくされ、葛西を引き払ってブチ三毛とも別れてしまうと、今やとうとう猫に関係するお金は一円も掛からなくなってしまったことがしみじみと哀しい。
今だからこそ敢えて堂々と宣言するが、引っ越しが遅れてちんたらしてたのは、ブチ三毛との別れを惜しんでいたことが大いなる要因で、あるいはその全てかも知れないと云って過言ではないのかも。
ニャンゲル係数は幸せの係数か。
むろん愛はお金じゃないけれども。