前回に続き、またシャツのお話。
紳士服の本場はイタリアですが、
そのイタリアと日本のシャツはどう違うんでしょうか?
いろいろありますが、ひとつは、
襟やカフスのパターンをバイアスでとる
ということです。
バイアスとは、たてよこ90度に織られた布地に対して、
パターンを斜め45度にとることです。
ハンカチの角をひとつ持ってたらしてみてください。
布目が斜めになると思います。これがバイアスです。
日本では襟やカフスは、縦の布目に平行にとるのが普通です。
バイアスにするとどのようないいことがあるのかというと、
襟を立てたときに、布に無理な力が生じることなく、
しっくりとなじむんですね。
そのかわり、バイアスの生地と言うのは非常に伸びやすいので
縫製が大変です。
他にもシャツには工夫がいっぱいしてあります。
例えば、お勤めする方なら誰でもみんな腕時計をつけますよね。
腕時計をつけても、シャツを着た袖口が美しいように
時計をつける左手の袖口を右よりすこし大きくしてあります。