「正しい音」に関する疑問 | 100万人の中国語 

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田中則明(たなかのりあき)
小田原在住。中国語研究家。

二つの壁:「四声」と「日本語にない母音子音」

「『正しい音』などと言っても、ネイテイブも

いろんな音を出すし、方言もいろいろあり

ますよね?」

などとよく聞かれる。


こういう質問そする人は、何が聞きたいのか、

何が言いたいのか?


「正しい音」さえなければ、こんなに苦労しない

のにと言わんばかりです。


こういう人に対しては、私は、

「日本語の快適な世界に安住しておられるの

 が、あなたにとっては、一番ですよ。

 外国語なんか習うのはやめて、何か他の

 事を習ったらいかがですか?」

と露骨にいやみを言うことにしています。


外国語を習うのは、先生のためでも、ネイテイブ

のためでもなく、自分のためなんです。

多少の労苦を厭っていてはいけません。


とは言え、お答えしないのも失礼な場合は、

こんな風にお答えします。


1.方言の問題


  物理学に入門しようとしているのに、数学

  や化学のことを心配しても始まりません

  よ。

  まずは、物理学一本に絞って、入門を

  果たすべきです。

  中国語も同じ。

  標準中国語に的を絞るべきです。


  さあ、「正しい音」を聞きましょう!


2.ネイティブに「正しい音」を出せない人が

  いる


  います。確かにいます。中国大陸には、

  数億人います。

  でも、圧倒的多数の人は、「通じる音」

  が出せます。

  それに、今や、日々「正しい音」が、

  中国大陸を席巻しつつあるのです。

  そのうち、「通じる音」を出せる人は、

  10億人を超えるでしょう。

  世界中に、一つの言葉がこれだけ

  一地域で話されている言葉は、

  他にありません。

  ですから、言葉の統一は今後ますます

  進む一方です。

  中国語は、秦の始皇帝によって

  文字(漢字)の形が統一dされ、

  毛沢東によって「音」=ピンインが

  統一されたんですよ。

  これからは、この言葉においても、

  ひょっとすると「音」が主役になる

  かも知れませんよ。

 

  さあ、「正しい音」を聞きましょう!



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