発音の「安定度」(4) | 100万人の中国語 

100万人の中国語 

田中則明(たなかのりあき)
小田原在住。中国語研究家。

二つの壁:「四声」と「日本語にない母音子音」

私が会社を辞め、

「田中式二色刷りピンイン表記法」

とそれを教材の形にした

『これ以上解り易く出来ない!中国語』

をひっさげて中国語発音入門教育に

取り組み始めたのは、10年ほど前でし

た。


その頃、ある中国人ネイティブの先生が、

「私に、10時間という時間さえくれれば、

ピンインをマスターさせられる」と銘打っ

て、発音入門講座を各地で開かれてい

ました。


私も、「10時間か?すごいな!」と思い

ました。


あの「ピンイン表」の“a,o,e・・・・・・・・・・”

を端からやって行って10時間です。


自分がかけた時間、30時間に比べれば、

飛躍的な進歩です。


100メートルの競走じゃないですが、

こういう数字(10時間)を見ると、俄然、

チャンジ精神が湧いて来ます。


じゃあ、私は、「6時間」を目標にしよう

いうことで始めました。


30時間→10時間→6時間

をめざしたのです。


ところが、ところが、実践してみて分かっ

たことは、


30時間→10時間→6時間→2時間


であることでした。


大変な発見でした。


一つは、自分の開発したメソッドの有効性

一つは、日本人の持つ潜在的能力

を発見したのです。


2時間という時間さえあれば、こういうこと

が可能なのでした。


『教師は、説明すべきことは全て説明し、

 生徒は、ピンインの反復練習段階に

 進める』


また、カタカナなど忘却の彼方で、頭に

カタカナなど浮かんで来ないようになっ

ていました。


2時間という余りの短さに、ネイティブ

の方から、「どうせ、中国語なんかろくに

しゃべれない日本人がやったことなんか

信用できない」などと言われますが、


しかし、

「傍目八目(おかめはちもく)」、

言語に関しては、非ネイティブの方が

良く見える部分もあるのです。


例えば、古代エジプト文字、古代マヤ文

を研究しているのは、ネイティブですか?


要は、誰が考え出そうが、考え出したの

ネイティブであろうが非ネイティブであ

ろうが、「学習メソッド」というは、

通用するかしないか、使い勝手良いか

悪いかのみが意味を持ちます。


今や、、中国語の教授・学習も、「メソッド」

を競う時代に入ったと言えます。


私は、民間から大学教授になって初めて

論文というものを書きましたが、これから、

「中国語教授法」に関する論文を書こう

という人は、先行研究である、「田中式

二色刷りピンイン表記法」に触れなくては

ならないはずです。


ところで、一体、何が、2時間を可能にさ

せたのしょうか?



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