
先日、中国語の教科書をつくりはじめた話を書きました
。本をつくるには、原稿を書いたりデザインをしたりという“中身”を考えるのももちろんなのですが、“外身”もとい“外見”も考えなければいけません。「そとみ」というか「がいけん」ですね。つまり、どんな大きさでどれくらいの厚さにして……ということです。
まず書籍には単行本と文庫があります。その中間が新書でしょうか(このほかにもありますが)。
文庫はだいた手のひらサイズで、若干の違いはありますがほぼ同じ大きさです。
新書も会社によって横が長かったりしますが、ほぼ同じサイズで、縦長ですね。
会社によって大きさかえられちゃうと、書店が棚に困りますからね
。単行本はサイズは結構違いがありますが、一番の違いは上製か並製かでしょう。
上製はハードカバー、並製はソフトカバーのことです。
サイズですが、ビジネス書で多いのは四六判(しろくばん)というやつですね。
これより若干大きな菊判とか、いろいろあります。
本をつくるには、サイズだけでなく厚さも考えなければいけません。
紙は厚いもの(嵩高=かさだか=)のほうが重たいので高いことが多いですし、かさばるし、運ぶのにもコストがかかります
(厚さはあっても軽い紙、安い紙もあります)。だからといってあまり薄くすると、裏映りしますし、安っぽくなってしまいます。
紙の色も白一色というわけではありません。
クリーム色に近いもの、黄色に近い白、青みがかった白……
載せる内容によって(写真が多いか、など)、
また出したい雰囲気によって(クールな感じ
にするのか親しみがある感じ
にするのか)、さらには予算から紙を決めていくことになります。
今回私たちが作ろうとしている中国語テキストですが、まだサイズや厚さは確定はしていません。
ですが、「B5くらいのサイズで、中は直接書き込めるタイプにしたいなー」とか、
「書き込めるよう、紙はあまりツルツルしていないものがいいなー」とか、
「重くなるし開きづらいので表紙はソフトカバーかなー」とか、
「想定しているページ数が結構なものなので、紙は薄めがいいな^」とか、
こうしたいくつかの条件をもとに、印刷会社の方に束見本をつくっていただきました。それがこれです。

束見本とは、実際の仕上がりと同じ材料をつかって、ページ数も同じにして製本した、中身はまだ白い、紙の見本のことです。


ペンを置くとサイズのイメージがわきますね
。
厚さも結構なものです。本当にこのサイズになるかは分かりませんが……。

立ててみたところです。やはり厚い。
ノートか日記帳に使えそうですねぇ……
。厚いとそれだけ内容は入れられるのですが、重くならないようにしなければいけません。
それに、開いて置いたときに、ノド(ページの閉じてある側の余白です)のほうが書きづらくなりますから、ノドは広めにとらなければいけません。そういう計算も、実際に束見本が手元にあるとやりやすくなります。
ちなみにノドの反対側の余白のことを「小口=こぐち=」といいます。
ノド、小口の話があったのでついでにお話しすると、
本の綴じかたにもいろいろ種類があります。
たとえば週刊のマンガ誌でも、
週刊少年ジャンプ(ジャンプ)と週刊ヤングジャンプ(ヤンジャン)では違いますね。
ヤンジャンは金具でとめられています。
こうした金具をつかった綴じ方は平綴じ・中綴じ・背綴じとよばれます。平綴じと中綴じの違いは金具の太さですね。糸綴じとか別の呼び方もあります。
またジャンプみたいに金具を使わず接着剤などでとめるやり方を無線綴じといいます。
金具でとめる場合は、表紙と裏表紙、表紙を開いて最初に見えるページと裏表紙を開いて最初に見えるページがつながっています。
つまり、A4サイズの雑誌であれば、A3の紙が真ん中で折られて、金具でとじられている格好です。

こんな感じです。
無線綴じの場合は、印刷した紙を並べて(丁合)、背中の部分を切断してそろえます。切断面に接着剤を塗ってとじていきます。文庫とか安い漫画誌とかはこれですね。コストがかからないので。
(ちなみに無線綴じの一種のアジロ綴じは、背中の部分を切断しません)
……ちょっとマニアックになりすぎましたね
。まぁ、とにかく少しずつではありますが教科書制作は進んでいます!
……多分。。。
