本日は、商標審査基準の改訂についてです。
商標法第3条1項柱書は、「自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標については、次に掲げる商標を除き、商標登録を受けることができる。 」旨を規定しています。
商標は、使用されて、需要者により業務上の信用が蓄積することにより、初めて、保護価値が生じるものですから、使用されていない商標や、使用意思のないような商標については、登録すべきではない、という規定です。
今般の改訂で、
「指定役務に係る業務を行うために法令に定める国家資格等を有することが義務づけられている場合であって、願書に記載された出願人の名称等から、出願人が、指定役務に係る業務を行い得る法人であること、又は、個人として当該国家資格等を有していることのいずれの確認もできない場合。」
については、商標を使用できない蓋然性が高いものとして、本項柱書により登録を受けることができる商標に該当しないと判断する旨の拒絶理由の通知を行い、出願人が指定役務を行い得るか確認することが、審査基準に明記されました。
たしかに、国家資格を有する人しか行うことができないような役務(サービス)について、当該資格を有しない人が、何等かの商標を取得できてしまうと、「登録商標」や「®」の表示を信用して、当該サービスを受けた需要者が不利益を被るかもしれませんし、譲渡目的の出願がされるなど、不都合な事態が生じる場合もあるでしょう。
きちんとワンクッション置いて、当該業務を行い得る立場にある出願人なのかを確認することは、とてもよい基準だと思います。
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