悪意ある「商標出願」多発、特許庁が注意呼びかけ…「民進党」など出願のケースも
(2016.05.17 弁護士ドットコムニュース)
いやぁ、ついに来たか、という感じです。
今回の特許庁による注意喚起は、業界では有名な人(及び当該人物が代表の企業)による出願が原因だと思われます。他人が取得しそうな商標を、毎日のように商標登録出願しています。特許庁が、その重い腰を上げざるを得ないくらい、異常な事態になりつつあるのでしょう。
その件数からして、出願料を支払わずに出願し、先願として、出願日の確保だけしているものと思われます。このような出願でも、補正指令が出て、その後、出願却下となるまでの間(数か月)は特許庁に係属しています。
よって、仮に、当該出願(先願)の日後に、類似する商標を他人が出願(後願)してしまうと、先願が登録された場合に拒絶されますよ、という4条1項11号の拒絶理由通知が出されます。また、出願前に商標調査をするときに、調査に用いられる特許庁のデータベースには、出願商標として掲載されていますので、当該出願人の商標が類似商標として抽出されてしまう場合があります。
これらのような場合に、あきらめてしまう出願人がいる、ということでしょう。
特許庁のWebサイトに記載のある通り、まず、そのほとんど全てが、出願料が未払いの瑕疵ある出願であり、じきに当該出願は却下されること、そして、仮に出願料が支払われた場合であっても、拒絶理由を有する可能性が高い、ということを念頭に置いていただきたいと思います。
そして、当該出願人の先願の他に、類似商標がない場合は、あきらめずに出願し、拒絶理由通知で引用された場合でも、意見書を提出し、先願が出願却下されるまで、審査の猶予をお願いすれば、特許庁の今回の注意喚起という行動から鑑みても、十分考慮されるのではないかと思います。
出願料を支払わない出願を一律に即出願却下としてしまうと、本当に出願料の納付を忘れてしまった場合に酷に過ぎますし、なかなか難しい問題です。
ただ、そろそろ何らかの策を打たないと、誤解により、多くの企業や個人が、商標の採択に支障をきたしてしまうのは明らかです。
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