昨日の バンダイの「必殺技」商標について(1) の続きです。
3.「必殺技」が商標登録されるとどうなってしまうのか?
仮に、「必殺技」が商標登録されてしまったら、もう誰も「必殺技」という文字を一切使用できなくなってしまうのでしょうか。
中には、「必殺技」に代わる技名を色々と一生懸命に考えた人もいるようです。
しかし、まず第一に、商標権の効力の及ぶ範囲は、指定商品と同一または類似の範囲に限られます。
今回、バンダイの「必殺技」の指定商品は、第28類の「おもちゃ」等ですので、これらと "非類似" の商品やサービスには、商標権の効力は及びません。
つぎに、たとえゲームやおもちゃであっても、その取扱説明書などに「必殺技」という言葉のそのままの意味(「敵と戦う上で持ち合わせている技術、武器、技などのうちで最も有効な技のこと」(Wikipediaより))として使用する分には問題ありません。
例えば、「キャラクター○○の必殺技の出し方」のような記載には、商標権の効力は及ばないでしょう。
したがって、過剰に心配する必要はないと思います。
4.なぜ、ここまで騒ぎになってしまったのか?
今回のバンダイの商標は、今年の1月19日に出願され、公開されたばかりの商標です。
それが、なぜ、ここまでニュースになってしまったのでしょうか。
私が思うに、まず、今回のブログでご説明した、商標権の何たるかや、商標権の効力範囲、制限規定などは、世間一般では、あまり理解されていません。
今回のニュースを見て、多くの人が、「必殺技」という文字は、どんな商品やサービスに使っても一切NG、というふうに考えていると思います。
それに加え、現代は、公開された最新の商標は、商標速報bot などですぐに知らされ、Twitter、その他のSNSなどで簡単にシェアできる時代です。
これら二つの要素が合わさって、少しでも一般的だと思われる商標は、すぐにバズり、ネットニュースなどに掲載されてしまうのだと思います。
5. まとめ
ここまで大きくニュースになってしまった以上、審査は注目されるでしょうし、登録されても異議の申立てなどもあるかもしれません。
今後の展開に注目していきたいと思います。
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