Gibson Les Paul Classic 92年製のピックアップを交換しました
先日、オープンのダンカンSH-1 '59モデルの前後セットをカバードにしてポッティングも済ませてあったので、今回はそれをレスポールクラシックに載せ換えします
Custom 5のケースに入っている方がフロントの59N
他に写っているのは、SWISS TOOLSのプラスドライバー
ERNIE BALLのPRiMO SLiNLY 2019年製
トールタイプのヒストリックエスカッション
など、です
弦は一応用意しましたが、外さなくても作業できるので、今回は結局、交換していません
色んな好みがありますが、僕は弦がベロンベロンになるまで使う方です
弦が切れた時も、とりあえずキレた弦だけ交換します
マイケルも(マイケル・シェンカー)、そうしてるって言ってました〜
よっぽど気分転換に新品張りたくなったら、全部交換します(弦はアーニーボール一択です)
ジャーン!こちらがすでにポッティングも済ませたダンカン'59モデルの前後、中古のセット
しかも、それぞれバラバラに入手したハズです
フロント(ネック側用)の方のカバーはいい具合にくすんでいますが、ブリッジ側は新品のニッケルメッキでピカピカ
ESPからunplataedアンプレーテッドという、メッキなし、無垢のピックアップカバーも販売されていますが、今回は敢えてコレ↓で
Montreuxモントルーからも同様のメッキなしのピックアップカバーが販売されていますが、ポールピースの孔の間隔がビミョーに異なるので、自分の使うピックアップに合うかどうか、事前に確認が必要です
といっても、実際には現物を合わせてみないとピッタシ嵌まるかどうかは分かりません
カバーを付ける前の状態
ポッティングの様子、温度管理は重要です
今回、鑞浸けは1回のみでしたが、次回は2度浸け(禁止ではない)しようと思っています
元の状態がコレ↓
ブリッジ側は問題ないのですが、ネック側がエスカッションにギチギチに嵌まっている状態で好ましくなかったのも、ピックアップ交換を思い立った理由のひとつです↓
キズ
あると便利なMartinのネックピロー、ホントに枕みたい
中は砂みたいなものが入っていて重量感があり安定します
ネック裏の恐らく、ギタースタンドのラバーによる塗装反応があります
裏蓋を開けると、ポットなどはメタルプレートのアセンブリータイプ
レスポールクラシックといってもレギュラーラインナップの上位機種的な位置付けなので、現在のカスタムショップレスポールのようなダイレクトマウント?ではありません
このあたりは、Grecoグレコの方がよっぽど手が込んでます
さすがコピーの王様、ジャパンヴィンテージJapan Vintageたる所以です
ギブソンにあっては、ヴィンテージといっている場合ではなく、生産効率を優先してアセンブリーとしていたと思われます
ポットはCTSの「ヘソ有り」で、1379244の刻印が確認できます
139はCTS製
92は1992年製
44は44週目
最後の44は、ポット毎に異なる場合があり、46なども混じっています
弦を緩めればピックアップを持ち上げて、エスカッションごと取り外すことが出来ます
ザグリの底にCLASSIC PLUSのスタンプが見られます
外したピックアップの裏側を見るとカバーを止めているハンダが芋…
フロント側も外すと、スタンプが塗り潰してあり判読できませんが、DEC,15?,1992と日付は確認できます
当初の予定からトップ材を変更して、CLASSIC →CLASSIC PLUS等に仕様変更する事はギブソンではよくあったそうなので、そういう事かもしれません
ネック側ピックアップの裏
銀玉?のような玉半田、あまりにもお粗末
ここで分かるのは、Gibson USAの刻印、スペーサーが木製、ポールピースの穴のその奥に隙間がない
ということは、コレは標準搭載のセラミックマグネットの496Rではないと考えらます
購入時の情報で、490Rと思われると言われたので、その通りかと思われますが…(あるいは、490T)
自分でハンダ付けした方が、随分マシ、です
Duncan SH-1b & SH-1nのセットを、元のエスカッションに嵌めたところ
ピックアップカバーを付けてもエスカッションとの間は十分隙間があります
見栄えをよくしようとトールタイプのヒストリックエスカッションも大枚をはたいて購入しましたが、今回はオリジナル性を重視してこのままにしておきます
オリジナルパーツを外してしまうと、往々にして行方不明になって無くしてしまうので、オリジナルパーツの保存性を重視しました
98年製ゴールドトップはピックガードを外してあるんですが、やっぱり付けようと思って探しましたが、無かった
失われてしまいました、トホホ
今回は作業の都合でピックガードを一回外しました
ここだけ細かなウェザーチャックが見られます
他の場所はキズはあってもウェザーチェックはほとんどありません
この違いはなぜかな?
さてスイスツールのドライバーはP.2なので少し大きすぎました
裏ブタにしろエスカッションにしろ、小さなネジなのでP.1のプラスドライバー(フィリップス)が適しています
このVESSELベッセル製のものは安価で使い安いのでオススメです
ホームセンターで普通に入手できますが、よくいくコー○ンでは、スーパーのようにPB、プライベートブランドの商品を数多く導入していて、ドライバーやスパナなども、若干、お安い感じのモノに入れ替わっているので少し残念です
なのでたまに、HODAKAホダカなどというちょっとマニアックな工具も扱っているプロショップにいって、このレンチ、ええなぁ〜とか思っています
はい、とりあえず載せ換えできました
ポットへの配線は、ピックアップのホットのリード線をコンデンサーの繋がっている端子に接続するだけなので簡単
(とりあえず、知識がない場合は、外す前の状態をよく見て、写真を撮って、元通りに戻せば大丈夫です)
むしろ、難しいのはアース処理です
コールド、アースをポートの背面に落とす(アース)ことが、多いのですが、これがなかなかクセ者で全然ハンダがのらない…
4芯タイプのピックアップで、単線の場合は割と簡単ですが(今回はフロントがそう)
しかし、ビンテージライクな金属の網編みシールドの2芯タイプの場合、網がハンダを弾くので、先にポット側にハンダを盛って、網のシールド線にもハンダを馴染ませておいて、合体させるような感じです
ポット側のハンダはよく熱さないと溶けませんが、あまり熱しすぎると年代モノのポットも傷む可能性があるので、あまり時間を掛けず、しかも思い切りよく作業する必要があります、Let's Try !(写真はハンダ前)
しかし、まあ、配線用の穴、四角いザグリの大きいこと
地下鉄のトンネルかよ、って思うくらいの大きさです
他の2本のクラシックもここまでデカくなかったような
ちょっとすると、もしかしてだけど、重量を軽くする為に少しでもいっぱい削って、ウェイトリリーフの目的もあるのかもしれません
知らんけど
取りはずした方のピックアップカバーを外してみると、フロントのみポッティング跡のような鑞が見られます
そしてピックアップの厚みがこれだけ違います
両者の違いは、まずスペーサー
一方は木製で薄く、他方は黒い樹脂?そして厚みがあります
ボビン(コイル)の厚み自体は同じようなので、両者の違いはマグネットの違いのようです
恐らく厚い方がセラミックの500T
右の薄い方が、490R(T)だと思われます(アルニコ2)
↓しかし、抵抗値をみると9.18kΩもあります
公式にはフロント用490Rは8.0k、リア用の490Tでも8.2kです
因みに、アルニコVのホットタイプ、498Tになると14.2kΩなので、違うでしょう
上記より、近いのは490(RかTか、わかりませんが)
厚い方は15.4kΩもあります
コレは500Tに間違いないでしょう
こんだけ違います、どんだけ〜
ピックアップカバーも後付けなので、出所がわかりませんが高さも違うものでした
ですが、高さのあるのでアルニコ2に、高さのないものが厚いセラミックマグネットの500Tに付いていました(ワケわからんね)
ハイ、ピックアップ交換後
見た目にはそう変わり映えないです
フロントピックアップの(カバー)のくすみ具合は良好です
リアはピカピカなのは致し方なし
むしろ、エスカッションからの出代のほうが問題ですね
まあ、とりあえず作業終了したので早速試奏にいきました
試奏時の機材
最小限のミニエフェクターボードにHOTONE VOW PRESSとEFFECTS BAKERYのビッグカツディストーション、さらにGUYATONEのMR2マイクロリバーブ
これらもちょっと試したかったので持ち出しました
流行り物?が好きなワケではないですよ
自分にビビビ…ときたものだけ
↑コレも、ビビビ…
↓シールドは広いスタジオなので5m2本
神田商会で扱っているLMストラップ
本革ですが裏はスエードではなく、薄い表革が貼ってあります
ピックアップ交換後、見た目はまあまあですが…
なぜだか、リアピックアップの出力が安定せず
フロントピックアップは調子がいいのに、リアだけ音は鳴るんだけど小さい…
弾いていても全然楽しくない状況です、むむむ…
ということで、リアの59Bが断線はしていないにしても、ポッティングの際に温めすぎたか、何か問題を抱えているようでしたので使用断念することにしました
他に載せ換えるピックアップがないわけではないですが、とりあえず一旦外したピックアップを再利用することにしました
本来リア用の500Tは出力があり過ぎて、またセラミック特有の若干ツマらない音(レンジが広い、フラットな特性)になりかねないのでフロントに載っていた490R(T)と思われるピックアップをリアで使用することにします
500Tはリア専用設計でギブソン製ピックアップですがポールピース間隔が52mmと広めです
ダンカンでもFenderピッチ、Trembucker(TB)トレムバッカーは幅広になっています
500Tはポールピース間が通常のギブソンピッチ(48.9〜49mm)より広め
さて、こうなりました
フロントSH-1n、リア490R(T)
出力のバランス的には良好です(7.61Ω vs 9.18Ω)
ルックス的にはジミー師匠風となりました
前後カバードでオーセンティックな外観に使用と思っていましたが、リアのカバーがピカピカだったので、コレはコレで結果オーライです
外したSH-1bもテスターを当てるとちゃんと通電していて断線もなにもなさそうでしたが、他に原因があるのかもしれません
500Tと共にお蔵入りとしておきます
そして再度試奏!
今度はバッチリ、サイコ〜でした
そもそも、レスポールクラシックに標準搭載の496R/500Tはセラミックマグネット仕様でパワーがありすぎるので、今回、Duncan SH-1n/Gibson 460R(T)のミックスとなりましたが、ちょうどよい感じのパワー感となりました
2回目の試奏時の機材
ディストーションのブースター(ドライブペダルのスタッキング)に前回使用したMXR micro ampマイクロアンプが若干役不足(ブースターとして単体では良好、しかし、ビッグカツと併せたときにイマイチ)
だったので、Maxon OD808を持ち出しましたら、コレはサイコ〜でした
ビッグカツをウマい具合にプッシュして深みのあるディストーションサウンドが得られます
そして何より、このMICRO REVERBマイクロリバーブがサイコ〜かも
ということで、'92レスポールクラシックのピックアップ交換は終わりました(話が長くなっているので、エフェクターの詳しい情報はまた別の機会と致します)
ピカピカカバードPUの時は、なんか、借り物感満載だった'92レスポールクラシックですが、渋くそれっぽい(どれ?ペイジ?)ルックスとなりました
他にも試したいピックアップがいろいろ(DiMarzioディマジオのPAF、ダブルホワイトとか、単品で購入できるようになったGibsonのCustom Buckerとか)あるのですが、それらを載せて試す(楽しむ)ギターがないので、また余分なギターがデジマートで安く発掘できれば実行して報告したいと思います