先日、高校時代からの友人、親友、ツレとも言いますが、スタジオの帰り際、ギターのハイフレットがビビんねん、と言うので、ネック反ってんちゃうん?って返したら、頼むわ、と言われて預かりました。

ESPのギグバッグに入ってますが、中身は…

この辺の角、ミッキーマウスの耳とも言いますが、ギター好きの方はここだけでES-335と分かりますね

Gibson Custom 2009年製'63-335です

63年モデルなので指板のインレイがドットではなく、ブロックインレイですね

2019年(2018年?)にESシリーズの生産拠点であるメンフィス工場が閉鎖されますが、このギターはそれより10年も前の製造ですが、ボディ内の濃いオレンジ色のラベルで分かるようにナッシュビルのカスタムショップ製です

メンフィスでもカスタムラインのESが生産されていたという記事があるので、カスタムショップ製ES-335が同時期に両方の工場で造られていたとかあるのかな?知っている方がいれば、教えてほしいです

センターブロックは大きめにカットされています

完全に見ためで判断していますが、すこし順反りです

写真では分からへんでしょ………

で準備した物品は、敷物と弦も交換しといてと言われたのでフツーに自分のエレキの定番、アーニーボールのスーパースリンキー

ネックピロー、レンチ、オレンジオイルなど

指板にはレモンオイルが定番でしたが、数年前、イ○バシ楽器さんで高級ギター(高額なギター)を購入した際、指板のお手入れはどうするのが一番いいですか?って訊いたら、店員さんがレモンオイルではなくてオレンジオイル!と言ってこれを奨めてくれました

イ○バシさんではすべてこれですって!ほんまかいな〜

友人のギターはご覧の通り、長年エアコン風などの室内環境により指板のローズがカサッカサになっています

後で指板もお手入れしてあげることにして、早速反り直し

まずはトラスロッドカバーを外して

ドライバーはフィリップス(ただのプラスドライバー)のP.1というサイズがいいです

ちょっと大きめのはP.0というサイズで、あれでは無理です

ギターのメンテにはP.0とP.1、2本あったほうがいいです

あとピックアップの高さ調整、ネジ式のポールピールも触るので、あまり大きくないマイナスドライバーも

緩めるときはドライバーが浮き上がってネジ山をなめる可能性があるので少し押しつけながら回します

むしろ、この辺の作業で大して力はいらないですけど、もどす時に締めすぎて木側のネジ山をつぶしてしまわないように注意しないといけません

ユーズドのギターでカバーのネジが甘い、止まらない、ということはよくあります

このあたり、塗装の乗りも厚いので、木部とナットの隙間が案外狭く、レンチもなんでもいいとはいきません

手近にあったレンチを差し込むと奥まで嵌まらず、ギブソンのギターを購入時についてくるものか、持っていない人はGibson用として販売しているインチサイズのボックスレンチを購入する必要があります

これだけ厚みが違います

レンチをナットに被せるようにしっかりと奥まで差し込んで、90度に少し足らないくらい回して、目視👀

まあええやろうということで、チューニング

もう少しかな〜と増し締めして、結局90度くらい回したかな

完全に見た目、感覚で判断しています↓↓↓

順反りが修正されると弦高が下がって余計にビビリがでるので、若干ですがブリッジを上げてやる必要があります

ABR-1の高さ調節をおこなうサムナットを反時計回りに回すとブリッジが上がってきますが、どれだけ回したか分かるように自分のギターならマジックで線を引いたりしますが、友人のなので紙テープを外周に貼って目印にしました

これも1弦側、6弦側とも90度くらい回して、極くわずかに弦高をあげました
これでビビることもなく、演奏性は良好、グッド!でした

もう一点、修正箇所としてはボリューム操作の時に、リアボリュームのポインターが親指に刺さって出血するっ!とのことでしたので、9の目盛りの位置くらいになるようにナットを緩めてポインターの向きをわずかにずらしました

写真でわかるかな?

ボリューム回したんとちゃいますよ

これで親指が刺さることもなくなったようです

ついでに弦交換
元はダダリオでしたが、手持ちのアーニーボール、スーパースリンキーに張り替え
先ず低音弦側から換えて、高音弦
3本ずつ換えていきます
ヘッドのホコリも払い
パサパサのローズ指板にオレンジオイルを塗り込み
指板の荒れている箇所を、一応✓、補修等するわけではないですけど

こういうとことか⤴︎こういうところ⤵︎

ちょいちょいローズが捲れたみたいになってます

以前に預かった2018年の写真を見ると👀

やはり同じところが荒れてるのでギターを作った時からこの状態なんやね、きっと

この時はまだレモンオイルを使っていました⤵︎

こちらは外した弦ですが、ダダリオの弦はボールエンドがカラーになっていますね

あんまり意味がないので、自分は好きではないですけど…

前に預かった時に張り替えたのは、友人の持ち込みで特殊なゲージのジャズ用モデルでした

ESにはむしろピッタリと言えますが、今年はESを弾き倒す、ということなのでよりロック向きの演奏性に優れた、アーニーのライトゲージを張ります、3パックとか買い置きがいっぱいあるので

先日亡くなったジェフベック氏もアーニーを愛用していたとか

ほんまかいな〜

では、そろそろ

新品弦で試奏

これまたいい音がしますねん

それと音がデカい

ボリューム上げてんちゃうん!ということではなくて、愛用のレスポールなんかより出音がデカい、そしてES-335のサウンドがこんなに良かったのかと、ジャズ、ブルースの定番、王道ギターであることの理由を認識しました

当然、自分も欲しくなったのは言うまでもないでしょう


今回使用している黒色のトラスロッド用ボックスレンチは、MONTREUX(モントルー)から販売されていたインチ規格、5/16" GIBSON用というものなのでピッタリですが、販売終了の可能性があります

ギブソン用をお持ちでなければ、5/16"=7.9375mmですので、国産用のミリ規格のもの、8ミリでも代用できるかもしれませんが、その場合、ナットの頭を舐めないように注意して下さいね