6月19日、火曜日。曇り。
朝5時00分起床。
カテーテル検査。
最悪という言葉を安易に使うべきではないのだけど。気分は最悪の一日だった。
…………
たびたび起きてしまった。
起きてストレッチ。
朝食抜きと聞いて、はぁー(初めて聞いた)。
病衣に着替えて、はぁー。
9時に生食の点滴、はぁー。
身につけているのは病衣とパンツだけ。
はぁー。
ため息が出る。
単にカテーテルが嫌というより、そのさきまで見越してのため息。
あぁー、もう、手術かなぁ。
ここまで来ちゃったかー。
仕方ないのだけど、割りきれない!
あああああぁぁぁ。
まっ、今日は今日のつらさだけ背負うことにしよう。
そう思って、頑張ろうと思う。
10時40分、呼ばれる。
カテーテル室はまるで手術室。
台の上……。
寝て、消毒。
目隠し(?)の紙をかぶせられて、
首、手首にそれぞれ麻酔注射……。
痛いのは麻酔のときだけと聞いていたけど、カテーテルを入れてゆくときも前腕が痛む。
心臓に入ると鼓動が早まる。気持ち悪い。
「頭痛がするかも」
と言われて、ううっときた矢先、
先生が「ちょっと!!」と叫ぶ。
意識が遠のいたか、気がついたときにはすごい速さで心臓マッサージ。電撃がはしって、目の前が真っ白になった。痛すぎて。
「○○さん、大丈夫ですか!分かりますか!」
「はい」
普通に答えた。
ただ、頭がぼーっとする。それから頭痛、全身のしびれ。
「何事ですか」
「不整脈です」
青い服の男性が無愛想に答えた。
あとで薬剤師さんに聞いたところでは、心室細動という、危険な不整脈が出たらしい。
文字通り心室(心臓の大きな部屋)がけいれんのように震えてしまう。すると、心臓は全身に血液が送り出せなくなる。心停止。
適切な処置をしなければすぐ命に関わる。
一瞬とはいえ、こんな状態になった。
頭がぼーっとし、手足のしびれがすさまじい。
「終われー」と思いつつ、それからもしびれと痛いのが続き、ようやく、ようやく、造影。
看護師さんの手をにぎり、耐え続ける。
終わるころにはぐったり。
あとの処置してもらいながら、カテ室の看護師さんと少し話した。
カテ室の看護士さんは専属。覚えることも多いから当たり前か。
12時には次の患者さんが来るらしい。あと10分だ。
たんたんと処置をしてくれる若い看護師さんに「淡々としてますねぇ」と言ったら、先輩らしき看護師さんが笑っていた。
病棟からベッドがきた。あとで聞いたところによると大急ぎで来てくれたらしい。
終わり際、先生が、
「逆流がひどく、心臓に負担がかかっている。手術が必要だと思う」
正直、あんなことがあったので「ふざけんな! まずそちらを説明してくれ!」と、かなり思った。
ただ、やはり、とも思った。
しかも驚くことに、生体弁を薦められた。なぜ?
また、小切開の手術は術野が狭くてうんぬん、正中切開のほうが確実だと。
これらの問題、なにより弁形成できないかどうか。強引に弁形成を選ぶリスクも当然ある。
それらは外科の先生に聞く。
帰りはベッド。
体調が悪すぎた。
検査直後はナースステーションそばの部屋で安静。
手首はがっちり固定されている。
トイレをしたかったのだけど、しびんに出せない。頑張っても出ない。
結局、数時間耐えた。
もうやりたくない。
病室の人と話したりしながら過ごした。
他の部屋にもカテーテルをやった人がいて、話した。つらかったと言っていた。分かる、分かるよ……

つらかった。あまりにも。
夜21時就寝。