6月15日、金曜日。曇り。
朝5時00分起床。
検査なし。
やはり何度か起きてしまった。
看護師さんがやってきて、
「なにやってるんですか」
「服を着替えようと……」
って、夜中ですよー

点滴はいじらないように、とも注意されていて、けっこう危ない。
うとうとしていたら、ボールペンのカチカチという音。朝4時。
眠れないのでデイルームに避難して、ストレッチをしてから本を読んでいた。下でココアを買って、朝6時半まで、誰も来ないデイルームでのんびりしていた。
「私が神経質すぎるのかもしれないし、眠れなくて一番つらいのは本人だと思います。でも、夜中にボールペンをかちかちしたり、ノートをぱらぱらめくったり、引き出しをバンバン開け閉めしたり、隣だとちょっと……眠らせるとか、出来ませんか(隣の人に睡眠導入剤を出せ、という意味で、ほとんど暴言)」
と、看護師さんに言うと、「ごめんなさいね、ちょっと治療の関係で……部屋移動も検討しますから」とのこと。そこまでしなくても、とは思うけど、現状が続くと私もけっこうつらい。いままで規則正しく眠れていたのが、この3日間、夜中に何度も起こされている。
と、ご本人と奥様が昼にあやまりに来てくださった。不可解な行動は薬の影響で、わざとではなかったのだ。事情も考えずに苛立った自分を、今日も恥じた。
ただ、快方に向かい、物音が減ることを願う……。
リハビリ。やはり負荷をあげたときに心拍が戻らない。運動前は80くらい、負荷をかけると90-110くらいになってから10くらいは下がっていったん落ち着く。それでまた負荷をあげる、という繰り返しになるはずなのだけど。
けど、最後の方はずっと高いまま。しかも、リハビリ中に一回か二回、ごくまれだけど心拍が乱れるときがあって、「うっ」と思ってモニターを見ると、高く鋭い波が崩れていたり。
心拍はピークではずっと110くらいになっている。運動が終わると80くらいに戻る。
リハビリの方も、「心拍が下がってくれるといいんですけどねぇ」と言っていた。
汗もかくし、現時点での限界に来ているのだろうか。慣れてゆけば解決するのか、あるいは閉鎖不全の関係(運動量に対して心拍出量が不足?)があるのか。そこが心配ではある。
前者の場合、困ったことに体力を増やしてゆく時間がない。しっかり心拍などを見てもらいながらトレーニングできるのはとても恵まれているから、今なんとかしたい。けど、もう抗生剤治療が終われば退院も近い。
後者なら、それこそ手術する方に大きく傾く。手術で治るならという思いと、手術や術後への不安がある。
入院前、私は自分が正常で、日常生活には何ら困っていないと思っていたけれど、最近は外に出てもふらついたり、病人だと自覚させられてばかりいる。
いずれにせよ、結果は来週にはっきりと分かる。この週末はすこし繊細にならざるを得ない。
一日中ベッドの上で静かに、本を読んだり、アニメを見たり、ノート作りを進めたりしていた。ときおりストレッチもした。スクワットは心拍も上がり、効く。
鼓動をやたら感じるけど、息苦しさはない。これも、日によってあったり無かったりする。
それでも、鼓動は不気味なくらいに正確で、逆流がひどいと言われたのに、不整脈も心拡大もまったくない。弁逸脱を指摘されてからの14年間、そしてこの入院中の1ヶ月間も。
問題がないことが、かえって怖い。
未来が見えずにいる。
それも検査をすれば分かる。
夜に母が来てくれた。
ひとけのない一階のロビーで、話した。
夜21時就寝。