5月18日。晴れ。

朝5時起床。
今日はレントゲンのみ。
血液検査のCRPは基準値以下、とりあえず順調に低下しているらしい。
朝の点滴、4回目にして成功。
少し腫れている。
ベッドから呆然と空を見上げた。
空が、青いなあ。
痛いなあ。

これまで左手でやってきたせいで、硬くなっているらしい。
看護師さん、先輩らしきひとを呼んできてくれた。場所をひじ付近に変えてさくっとやってくれた。一撃。素晴らしい。
午前中にレントゲンも終わり、一日まったりする。
していたはずなのだけど。
夕方、めまいに襲われた。
廊下を歩いていたら、目の前がぐわんと歪んだ。「あっ、これ倒れるやつだ」とすぐ分かった。
めまいと言っても、階段のときのように「目の回る感じ」で済むこともあるけど、今回は違う。
ぐわんと来て、足元がいきなり底無し沼になったような感じ。これはそのまま立っていると二度目が来て、崩れ落ちるパターン。
さいわい病室のすぐそばまで来ていたので、ゆっくり一歩ずつ歩いてベッドに倒れこんだ。喉がつまった感じがして、ときおり吐き気がこみあげる。
冷や汗、吐き気、喉の渇き、食欲不振といういつもの発作コース。以前は二週間ほど前に起きた。最初にピークが来て、酷いのが一晩、軽減していって症状が完全に収まるには1, 2日かかる。
ナースコールをするが、症状があいまいすぎて説明にも困る。こんなにつらいのに、もどかしい! 食欲不振にしても、さっきまでヘラヘラしてグミを食べていたのが、いまや夕食一口で精一杯。胃腸の問題でないのは明らかだった。
そこにタイミングよく栄養士さんが来てくれたのだけど、白衣を着ているものだから薬剤師さんかと思って質問してしまった。
「以前こういうめまいでメリスロンを処方されたのですが効きませんでした。他にはめまい、あるいはめまい的なものに対しては、どのような薬が出るんですか」
……って、栄養士さんに聞いてどうする。
結局、「意外とハンバーグなども出るのですね。一日の配分を調節なさっているのでしょう、ありがたいことです」などとほめちぎって帰ってもらった。適当すぎるのがバレバレ。とはいえ綺麗な人と話して少し気が紛れた。
我ながら内心で「男とは単純なものである……」
と思ったとたんにダウン。無理をしたので余計に悪くなった。人間はそう単純ではないらしい。
頭が引っ張られるような感じで、「ムリムリ意識が飛ぶ!」ということが何度もあった。ただ、飛びそうになるのと実際に飛ぶのは全然違う。もちろん私は前者。
喉が渇いて水を飲むのでトイレも増える。いま倒れないでくれ、と願いながら廊下をよたよた進む。ステンレスの洗面台を見ていたら、ぐらり、やばい。そして、用を足しているときに倒れるのは絶対に避けたい。
「倒れないでくれ、倒れないでくれ」。ハリー・ポッターがホグワーツの寮の割り振りのときに「スリザリンはいやだ、スリザリンはいやだ」と念じる気持ちに通じるものがあった。
なんとか無事に用を済ませた。気分は「グリフィンドーール!!」。だが帰りもふらふらだった。
この発作というか、めまいから始まる一連の症状。これが大きな悩みの種になっている。怖くて出歩けなくなるし、発作の頻度が低いだけに検査ではなにもでない。
血圧も、心電図も、なんともない。
アメブロで僧帽弁閉鎖不全症の方のブログを調べたけど、似たような症状は見受けられない。
どんなに眠れないときでも、目を閉じておけばいつの間にか眠っているもの。それは嘔吐と吐き気で眠れなかったときに学んだ。
なんなのだろうなぁ。
斜め向かいにきたおじいさんが、ときおりいびきみたいなうめき声を挙げている。そうやって呼吸をしているのだろう。普段なら平気なのだけど、正直、心に余裕がないのでストレスが溜まる。やめてほしい。
夕飯も食べられなかった。
(先に言うと、翌日の朝食はガツガツと食べきった)
19時就寝。